さて、大阪の情報&ガイドのブログをなさっておられる方から、豊臣大坂城の画像を使わせてほしいというお申し出をいただき、喜んで画像を提供させていただきました。
屋号♯大阪丸さんです。
大阪城の歴史を解説なさっています。
こういうところにも使っていただけて、喜んでいます。
利用価値があったのでしょうか…
図面や絵で見るより、模型だとより分かりやすいということもあるのでしょう。
そんなことから、城郭模型の価値について考えました。
模型やジオラマがなぜ人気があるかというと、恐らく、名建築やその空間を所有したいという願望があるのではないでしょうか。それとミニチュアの持つ魅力。日本人は昔から小さいものが好きだとよく言われます。
どなたのブログだか忘れましたが、「ヤフオクではお城だったらゴミでも売れる」というキツい一言がありまして、しかし逆に言えばそれだけ日本の建築空間が本来的に人を惹きつけるということかな、と思います。
その上で、作品自体に様々な価値を上乗せしていくことが大切だし、作り手の独自性に繋がるのではないかと思います。
まず美的価値。芸術的価値と言い換えてもいいかもしれません。まあ言うは易しで、これが達成できれば文句はありません。
しかし、これの難しいところは、単に上手下手で割り切れるものではない、ということがあり、それは例えば、「超絶技巧で誰も真似できないけれど、全然面白くないピアノ演奏」もあれば、「めちゃくちゃ下手くそだけど、目に焼き付いて忘れられない絵」もあるわけですね。
さらに見る側の目も問われます。これはなんでも鑑定団を見ていれば、人間の審美眼がいかにいい加減かよく分かります。しかし審美眼はどんな人にも備わっているということもまた然りで、不思議なものです。
ですから、これは求めても手に入れられるものでもなく、自然と培われていくものでしょうから、作る者とすれば、自分がいいと思えるものをとにかく作るしかありません。
ですので、「あなたの作品は将来絶対価値が上がりますから今のうちに手に入れておきたい」とおっしゃってくださる方があり、とても嬉しいのですが、価値が上がるかどうかは誰にも分かりません(笑)。
芸術的価値は求めても得られませんから、私の場合、建物の品と格は意識するようにしています。これは求めて得られます。
次は希少価値。
世の中に他に無いということ。大量生産できないということ。例え同じものを作っても、その時の感覚を大事にするということ。一回性。
真似できないことをと常に目指していますがなかなかこれが難しい。それこそ、上手な方はたくさんいらっしゃいますから、独自性をいかに出すか…
そして学術的価値。
インテリア用のものにはあまり関係無いかもしれませんが、それでもやはり、塗装にしても、もとの材質はなんなのか、実物ではどんな塗料が使ってあるのだろうか、同じ金でも箔なのか鍍金なのか、そういう細かい考証は必要だと思いますし、こだわりたいところですね。
このように模型の価値といってもイコール値段だけではありませんから、面白いところです。
要は私が目標にしていることは、一言で言えばお城や古建築のプラモデルをホビーから脱却させたいということなのです。プラスチックだといってバカにならないよ、というものを目指しております。本当は木製建築も作りたいのですが、しばらくはプラに専念します。
ごちゃごちゃ言わずとにかく作りなさい、という声が聞こえてきます。