薬師寺東塔の製作ダイジェスト【後編】 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

地震で憔悴していましたが、余震もこちらではだいぶ落ち着き、昨夜はゆっくり眠れました。いつまでも落ち込んでいても何にもならないと思い切り、製作を再開しました。

落ち込んでいた間に、少しでも気分の起爆剤になるようにと、キットや素材を買い込んでいました。

先日完成していた薬師寺の東塔を、近いうちにヤフオクへ出品いたします。売り上げの中から被災地へ寄付致しますので、よろしくお願いいたします。

ケースが出来てきました。
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オシャレじゃありません?部屋に馴染んでいて、正直、手放すのが惜しいです。

台座の表面は鏡面になっており、軒裏を見ることができます。
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それでは製作ダイジェスト、後編です。
前回の最後の下塗り。
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彩度を下げて、明度を上げました。
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水でじゃぶじゃぶに薄めたタミヤのアクリルを何層にも繰り返し巻き返し塗り重ねていきます。以前の興福寺五重塔では、暗めの地色にウェザリングマスターやパステルでハイライトを入れる感じでしたが、今回はどちらとも使用せず、純粋に塗装だけで木の質感を追求してみました。
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部材ごとに微妙に色を塗り分けていきます。
水彩のような塗装で、琳派の「たらしこみ」的な効果も応用しています。
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その後、限界まで薄めたエナメルの黒をかけて陰影を引き締めました。
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白壁をはめ込みます。
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白が入ると木部の色合いが違って見えますので、修正を加え、色調の補正をしました。

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退色した丹塗りがうっすらと残っている部分がありますので、その感じも出しました。赤目の茶色にさらにフラットレッドを加えたものを水で限界まで薄めて部分的に乗せてぼかしていきます。

屋根瓦の塗り分けが蛇みたいだったので、コントラストを落としました。また、軒瓦を一つ一つ丸く描きました。千個近くありました。
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相輪の塗装。
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青銅と土瓦と木と漆喰と。
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基壇の塗装。こちらもウェザリングマスターなどの粉系は一切使わず、薄め塗料の水彩塗装です。
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完成。
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大きなサイズの画像はこちらで。
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