上野東照宮とか図面とか | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

今年最後の上京、空き時間に上野へ。
目的は後で書きますが、上野といえば寛永寺。京都の比叡山に対して東の比叡山ということで東叡山寛永寺。徳川家の菩提寺の一つであるとともに、江戸城の鬼門の守りとして造られました。
現在はいくつかの建物しか残っていませんが、江戸期の建築を知る上で貴重です。

上野東照宮。
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修復が終わり金ピカ。
現在の建物は家光の造営によるもの。
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日光東照宮よりは後になりますが、細かい彩色などさすがに東照宮です。
模型にしたくなるのですが、この繧繝彩色や盛り上げ胡粉は無理ですね。
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透塀も彫刻で彩られています。全面箔押しの上からの彩色だそうです。
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唐門。
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徳川家の霊廟建築といえば、芝の増上寺にかつてあり、戦災で焼失した秀忠をまつった台徳院殿霊廟。これは日光東照宮のプロトタイプともいえるもので、外国人観光客には日光東照宮より人気があったという代物。古写真でうかがうしかないと思っていたところ、イギリス王室が所蔵していた、明治期の精巧な模型(当時の東京美術学校、現在の東京藝大制作)が発見され、増上寺に里帰り、公開中です。そのニュースはこちら

上野の東照宮は内部非公開でしたが、日光東照宮の本殿内部は絶対非公開。歴代の宮司さんただ一人しか入ることを許されないそうです。学生時代、大学の研修旅行で日光東照宮の拝殿まで上がらせてもらいました。その時宮司さんが、本殿の中、内内陣はそれはもう言葉を絶しますが詳しくは言えませんとおっしゃっていたのが強烈に残っています。

幸いにプロトタイプの台徳院霊廟は、本殿内部の写真も残っていて、確かにそれはもう凄いですが、それ以上なんだろうな、と想像するしかありません。

続いて旧寛永寺五重塔。
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現在の所有は東京都で、動物園内にあります。
最上層だけ銅瓦。プロポーションがまさに江戸期。ジオコレの五重塔は結構近いかもしれない…
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あとは清水の舞台を模した懸け造りの清水観音堂も現存しています。
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五重塔にしろ木部の色は鮮やかな朱ではなく錆び朱といえるような色あいなので、いわゆる丹塗りじゃなく漆だよね、と思っていましたが、やっぱりこのひび割れ方は漆ですね。弁柄漆かな?
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上野にきた目的は実は別にありまして、東博の資料館に図面の閲覧に来たのでした。
目的の図面はこれ。

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飛雲閣。
複雑なようだけど質素な造りでスクラッチできそう。

いろいろ構想だけは尽きませんのでした。