まず、屋根のパーツの裏側、軒下部分の面に白のサーフィーサーを吹きます。吹き付けすぎるとモールドが損なわれることもあるので軽くで良いです。↓瓦の面との比較ですがやや白くなっていますね。
今回はパーツが多いので、ランナーに付いたまま荒塗装、組み立てた後に修正塗装という手順で塗装します。
次に白壁の塗装。
まず、白壁パーツの裏側全面に、フラットブラックを塗ります。土塀のパーツは両面白なので除外。
これは遮光と同時に、出来上がった時により重厚さが増しますし、窓がよりはっきりします。お城は窓が多いので、組み上がった時に反対側の窓が見えたり、中の白壁が見えて軽々しくなることがあります。これを防ぐためにプラ板で窓をふさいだり、黒い紙を窓に貼ったり、超絶ディティールアップでは格子を入れたりしますが、一番簡単なのが中を黒く塗るこの方法です。やるのとやらないのでは大きな違いが出ます。
引き続き、表の白を塗ります。
肥前名護屋城の記事でも書きましたが、私は白壁にフラットホワイトをそのまま塗ることはしていません。少し生成りにすることで、より白く、漆喰らしい色が出てくれます。
フラットホワイトを買ってきたら、デザートイエローやバフを筆先にほんの少し取って混ぜ、漆喰色を作ってしまいます。
通常ですと、この漆喰色を白壁と軒裏に塗るだけですが、今回の姫路城は平成大修理後の姿です。
パッケージの写真を見ても分かりますが、大天守だけは壁の色も他の建物より、より白くなっています。
原液を2度塗りしています。1度目は下塗り、2度目は上塗りのつもりで。
とくに軒裏は壁の白と同じ濃さになるまで、時には3度塗りします。裏側だけでなく、垂木の先端部分も特に念入りに白く塗ります。
少し後の工程写真ですが完成形はこのイメージです。
原液を塗っていますので、窓が潰れることがありますが、後で虫ピンや縫い針でつつくと復元できます。よりシャープな出来にしたければ、塗料の皮膜を薄くすればよいので、薄めたものを何度も塗り重ねます。
注意すべきパーツが1つあります。白壁B13は、表と裏が両面に出ていますのでこのような塗り分けになります。↓
表(番号のある方)
続けて屋根瓦の面にニュートラルグレイを塗りました。大天守は最終的に白い屋根になりますが、真っ白に塗らず、少しでも本物に近い方法を考えていますので、まずは全体に同じ瓦の色を塗ります。
お城のプラモデルで出来上がりの生命線ともなるのがこの軒先のラインだと思っています。
このあとの工程で軒先の処理は何度も出てくると思います。
細かいことをいろいろ言っていますが、ご覧のように屋根はムラがあったり、かなり大雑把ですね。後でどれだけでも修正できますし、組み立てたら意外と気にならなかったり、むしろムラがいい感じに見えたりすることさえありますから、あまり神経質にならずに楽しんで塗装して下さい。
(ただし姫路城は白壁が命なので、壁面と軒裏はできるだけムラなくツヤなくを心がけました。)