プレミアム姫路城を作ろう!⑥建物の塗装 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

童友社のプレミアム姫路城、建物の製作に入ります。

まず、屋根のパーツの裏側、軒下部分の面に白のサーフィーサーを吹きます。吹き付けすぎるとモールドが損なわれることもあるので軽くで良いです。↓瓦の面との比較ですがやや白くなっていますね。
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お城のプラモデルで意外と大切なのがこの軒裏の面で、完成後の見栄えに大きく影響します。ほとんどのお城は軒裏まで壁と同じ白漆喰ですので、壁の白と一体化する色にします。このプレミアム姫路城は、屋根の成型色が薄いグレーなのであまり問題はありませんが、濃いグレーの成型色の屋根の場合、真っ白にするまで何度も塗り重ねることになります。軒裏に白のサーフィーサーを吹くことで、白が楽に出てくれます。

今回はパーツが多いので、ランナーに付いたまま荒塗装、組み立てた後に修正塗装という手順で塗装します。

次に白壁の塗装。
まず、白壁パーツの裏側全面に、フラットブラックを塗ります。土塀のパーツは両面白なので除外。
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これは遮光と同時に、出来上がった時により重厚さが増しますし、窓がよりはっきりします。お城は窓が多いので、組み上がった時に反対側の窓が見えたり、中の白壁が見えて軽々しくなることがあります。これを防ぐためにプラ板で窓をふさいだり、黒い紙を窓に貼ったり、超絶ディティールアップでは格子を入れたりしますが、一番簡単なのが中を黒く塗るこの方法です。やるのとやらないのでは大きな違いが出ます。
ごく粗塗りで大丈夫ですが、注意点は接着面には塗らないこと。
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組み立てる時に接着剤で黒が溶け出し、表の白壁を汚します。まあ汚れても修正すればいいので、そんなに神経質になることもありませんが。

引き続き、表の白を塗ります。
肥前名護屋城の記事でも書きましたが、私は白壁にフラットホワイトをそのまま塗ることはしていません。少し生成りにすることで、より白く、漆喰らしい色が出てくれます。
フラットホワイトを買ってきたら、デザートイエローやバフを筆先にほんの少し取って混ぜ、漆喰色を作ってしまいます。

通常ですと、この漆喰色を白壁と軒裏に塗るだけですが、今回の姫路城は平成大修理後の姿です。
パッケージの写真を見ても分かりますが、大天守だけは壁の色も他の建物より、より白くなっています。
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ですので、大天守の壁パーツと屋根パーツの軒裏部分にまずこの漆喰色を塗りました。
原液を2度塗りしています。1度目は下塗り、2度目は上塗りのつもりで。
とくに軒裏は壁の白と同じ濃さになるまで、時には3度塗りします。裏側だけでなく、垂木の先端部分も特に念入りに白く塗ります。
少し後の工程写真ですが完成形はこのイメージです。
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その後、大天守を塗った漆喰色に、さらに少しデザートイエローを足して濃い生成りの白を作り、他の建物と軒裏に塗りました。
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この写真は光の加減で色の差が特に大きく出ましたが、ランナー部分が成型色の白です。大天守のパーツの白と他の建物の白が違うことがわかると思います。
原液を塗っていますので、窓が潰れることがありますが、後で虫ピンや縫い針でつつくと復元できます。よりシャープな出来にしたければ、塗料の皮膜を薄くすればよいので、薄めたものを何度も塗り重ねます。

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軒裏もこのように壁の白と同じ色が出るまで塗ります。

注意すべきパーツが1つあります。白壁B13は、表と裏が両面に出ていますのでこのような塗り分けになります。↓
表(番号のある方)
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続けて屋根瓦の面にニュートラルグレイを塗りました。大天守は最終的に白い屋根になりますが、真っ白に塗らず、少しでも本物に近い方法を考えていますので、まずは全体に同じ瓦の色を塗ります。
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軒先の部分はパーツを切り出した後に丁寧に修正しますので、塗り残しています。ランナーに付いた状態で荒く軒先まで塗装すると、せっかく白く塗った軒裏の垂木に塗料が流れ込んで汚してしまう場合があるからです。
お城のプラモデルで出来上がりの生命線ともなるのがこの軒先のラインだと思っています。
このあとの工程で軒先の処理は何度も出てくると思います。

細かいことをいろいろ言っていますが、ご覧のように屋根はムラがあったり、かなり大雑把ですね。後でどれだけでも修正できますし、組み立てたら意外と気にならなかったり、むしろムラがいい感じに見えたりすることさえありますから、あまり神経質にならずに楽しんで塗装して下さい。

(ただし姫路城は白壁が命なので、壁面と軒裏はできるだけムラなくツヤなくを心がけました。)