肥前名護屋城(14)完成! | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

秀吉、幻の城、名護屋城完成しました。

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この大きさでこの規模のスクラッチは初めてでしたので、勉強になりました。
昨日の記事の中で、自分なりの模型観を語ってしまいましたが、「語るんじゃなくて、その内容を作れよ」と突っ込む自分がおりまして、恥ずかしくなって削除しました。ご覧になった方、忘れてください。

遊撃丸の殿舎は最終的にこんな感じになりました。
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天守入り口は、名護屋城博物館の模型にヒントを得て、このようにしてみました。
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白壁に黒い突き上げ戸が強烈なコントラストです。
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下見板張りではなくて塗籠のしかも大壁造りにしたのも、名護屋城の陣城としての性格が影響していると思います。城の下見板は鎧張りとなっていることがほとんどです。
我が家の外壁で恐縮ですが鎧張り↓
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板を縦に押さえている押し縁を板の凹凸に合わせて加工せねばならないので、かなりの手間がかかります。
ですから、下見板張りではなく全て漆喰で塗りごめたのでしょう。しかし、漆喰塗りも軒裏の垂木まで塗りごめるとなると大仕事になります。もしかすると垂木は白木のままであったかも…という想像も成り立ちましたので、天守以外の建物は全て、軒裏は白木の表現にしています。
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同じように突き上げ戸の下の窓も、白木のままとしています。
この突き上げ戸も、規格品のように大量生産して、一気につけたのかもしれません。普通建て具は、建物ができてから、1つ1つの窓の寸法に合わせて作っていきますが、少し大きめの突き上げ戸をまとめて作ったと考えれば、この特徴的な姿も説明できる気がします。
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天守はここまで派手ではなかったと思います。破風内も白木だったと思いますし、金具もどこまで打たれたことか。

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そうは言いつつ、前回の櫓の格子窓に金具を表現しました。あまり質素なのもね。秀吉の城だしね。
夢と現実の狭間。

今回作ったのは、城の北側になりますから、陽当たりはこんな感じでしょうか。
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水の手口から見上げ。月見櫓は実際にはもう1つ外側の角で、本来は模型に入らないところにあります。屏風絵で門のすぐ隣に描かれていることを理由に、無理やり入れました。
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屏風絵はこれくらいのアングルかな?
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疲れました。明日から一週間、家を空けますので、模型づくりはひと段落します。