千畳敷です。
私は幼い頃、宮上茂隆氏の『大坂城』(草思社)のこの絵を見て、心がときめいたのを思い出します。
そんな思い入れのある千畳敷ですが、現実には史料がほとんど無く、全て推定です。
対面所を改築、増床し、内堀にはみ出す形で懸け造りだった、と考えられます。
千畳敷について詳細な考察をなさっているのは櫻井成廣氏で、様々な文書の記述から、部屋割りまで推定されています。
それでは製作です。
表御殿の周囲は、高さ二間の石垣で囲まれています。堀にはみ出すためには、この石垣を越えなければなりませんので、全体が二階建てと想定し、壁面でかさ上げします。
ちなみに櫻井氏はこの二階を下の写真のように復元しておられ、独特の姿です。
宮上氏は、最初にあげた絵を見ると、二間の石垣を千畳敷の部分だけ取り払ってあります。
二階づくりとの記録があるので、私は石垣の分のかさ上げのため総二階になっていたと考えます。
次に懸け造りの木組み。0.5mmのプラ棒を使用。
橋もかけました。『日本西教史』に、堀を隔てて舞台がつくられ、その往来のために橋が架けられたとあるそうです。
舞台の下に大石垣が作られたという記録もあるそうで、千畳敷の高さに合わせると、舞台の地面を高くしないといけないので、辻褄が合います。
建物の方を作り、概形完成。
塗装して千畳敷の完成です。
表御殿の曲輪を作り、極楽橋を架ければ完成です。