久郷ポンナレット

「虹色の空 <カンボジア虐殺>を越えて 1975-2009」

 

以前に読んだ「19歳の小学生」と同じカンボジア出身の著者による自伝的な内容。

 

 

ポル・ポト政権時代の苦しい日々、難民として来日して学校に行ったこと、結婚して家族とカンボジアに訪れたことなど半分くらいは「19歳の小学生」と内容は被りますが、あちらは子供向けの本だったので、こちらの「虹色の空」はかなり詳しく書かれています。

特に日本の学校を卒業し、日本人と結婚して日本国籍を取得したこと、カンボジアで亡くなった家族やお世話になった人、他の多くの犠牲者のための慰霊の儀式を行ったり、供養塔を建てるために働きかけた活動のことが詳しく書かれていて、戦争で家族を失った著者自身の傷を癒すためでもあったのでしょうが、とてつもない熱量を感じました。

来日して差別的な待遇を受けることもあったという著者、外国で言葉を習得し、仕事を見つけて生活していくだけでも大変なのに、祖国の犠牲者のために熱心に取り組む姿は素晴らしいと思いました。

 

全体的には深刻になりすぎず、少しユーモアのある文章(夫や子供たちとのやりとりなど)もあるのでとても読みやすく、戦争は悲惨で恐ろしいものには間違いないけど、それを伝えるだけではなく、平和と希望を信じる著者の想いが込められていると思いました。

 

ちょっと情報は古いようですが、著者のホームページもありました。

 

お姉さんは町田にカンボジア料理のレストランを持っていて、本を出しているようです。

町田にはセッションで行く機会があるからいつか食べに行ってみたいです。

 

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