スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言」
ベラルーシ(白ロシア)のノーベル文学賞作家による、1941年にソ連がナチスドイツの侵攻を受けた「大祖国戦争」当時に旧ソ連ベラルーシに住む子供だった人たちにインタビューをした証言集。
ドイツ軍による残虐な殺戮、親を失って孤児になったこと、少年兵としてパルチザンに参加したことなど、子供ならではの視点での戦争が語られる。
そしてその子供時代の傷は高齢になっても癒やされていないことも知ることができる。
ナチスのユダヤ人迫害から逃れるためにベラルーシの森に隠れて住んで戦っていた人たちを描いた映画「ディファイアンス」を思い起こさせる証言もあった。
「ディファイアンス」に着いてはこちら↓
この旧ソ連時代の食べるものもなくてみんな飢えてるような状況とは異なるんだろうけど、現在戦時中のウクライナの子供たちも証言にあるような戦争体験を少なからずしているんだろうか。
ロシアでは戦争といえば勇敢に戦った人たちや英雄譚がもてはやされるらしいが、戦勝国だとしても戦時下で苦しんだ民衆はたくさんいたのだ。
そのような忘れ去られてしまいそうな人たちの証言をこうして残した作者の功績は大きい。
戦争は勝っても負けても悲惨なことに変わりはない。
ウクライナの戦争も、ガザで起きていることも早く終わってほしいと改めて思った。
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