今月見た映画。
「ジェロニモ」(1993年アメリカ)
アメリカ先住民の歴史は悲劇だけど、彼らの文化には昔から興味がある。
土地を奪い、先住民を居留地に追いやろうとする白人に立ち向かったアパッチ族の戦士ジェロニモの物語。
勇敢に戦ったジェロニモだが、結局は降伏してアメリカ軍の捕虜となり故郷に帰れないまま生涯を終えたので英雄というにはやっぱり悲劇だ。
物語は初めて辺境に配属された若い軍人デイヴィスの視点から描かれる。
上司のゲートウッドはアパッチ族に理解がある。
居留地で部族が祈祷のダンスをしているところを軍隊がやってきて違法集会だと言って発砲、大きな反乱になってしまう。
ジェロニモと仲間たちは居留地から逃走、白人が住んでいるところで略奪や殺人を行い、デイヴィスやゲートウッドが追うことになる。
先住民の土地を奪って他のところに移れというアメリカ政府もひどいが、向こうが殺したからこっちも殺すという負の連鎖。
戦いはやめておとなしく居留地に留まるという者もいるが、ジェロニモは降伏しようとしない。
結局はゲートウッドの交渉でジェロニモは降伏し、列車に乗せられて移送されていくのだが、それ以上に斥候として軍に協力していたアパッチ族が逮捕されて処刑されるというのが腹立たしかった。
先住民に対してアメリカ政府の約束を破る典型だ。ほんと汚い。
この一連の扱いを恥じたデイヴィスは軍を辞めてしまう。
白人側にもゲートウッドやデイヴィスのような良心のある人物がいるのがせめてもの救いだった。
自分が戦士として終わった、部族もきっと終わったのだというジェロニモの諦めたような言葉が辛い、
なぜ神は白人が土地を奪うのを許したのか?というジェロニモの言葉。
こういう理不尽が通ってしまうなら神も仏もないな・・・
映画として面白い話ではないが、荒野を駆ける馬のアクションはすごかった。