あおいsoraのお話ブログ。 -3ページ目

あおいsoraのお話ブログ。

ADHD(注意欠陥障害)を持つ息子と突然突拍子もない行動をとる旦那さまを持つメイド主婦(本当にメイドです、某ホテルの)。

たまにぼやき、腐女子になる主婦のブログ。
主に好きなお話を載せるよ。

どうぞよろしくね。

こんにちは(>_<)

かなり空きましたね…、時間の使い方が上手く行かない訳で(笑)

不器用さが滲み出てますね(ToT)

こんな私でも好きこそものの…上手ではないですが、書いております。
xxxHOLiCのお話を。


一年以上前に生まれた私の解釈のお話です。

題名はCoCooちゃんの歌より頂きました。


あ、一応腐らしきものですが、好きの気持ちに年齢も性別も何もない、との解釈でどうぞ。

魂の話ということで。


xxxHOLiC籠のお話、⑪


『Light up』⑪


**

『…ぬき』

確かに呼ばれた気がした。

ふと四月一日の意識は混濁した意識から一時的に戻っていたのだ。

(体が重い…、痛い…)

いつの間にか寝てたのだろうか…、なんと闇の中に倒れていたのだ。

「…、」

重い体をやっとの事で起こし、其処にそのまま座り込んだ。

「…おれ、」

痛む頭は重く、混濁したものを抱え、懸命にその中で考えていたのだ。

何で此処にいるのか。
此処は何処で、何をしていたのか。

「…おれは、…誰だ」

痛みは頭を締め上げた。


「…う」

「痛いの?」

聞こえてきたのは声だった。

顔を上げた四月一日は、いつの間にか拓けた世界にいた。

「…此処は」

朝日眩しい清々しい世界。
緑の木々が瑞々しく生い茂り朝露に濡れている、光溢れる世界。

四月一日は目を見張った。

先程の闇は何なのか。

そして四月一日の目の前に、小さな子供がいたのだ。

「…君は、」

四月一日は驚き辺りを見回しながら尋ねた。

その目に映る世界はかつて知ったるものだった。

緑の中に建つ蔵に、向こうに見えるは、立派な建築物。
その視界に拡がる見知った景色に固唾を呑んでいた。

「…百目鬼、の」

その口から無意識の内に出ていた。

「そうだよ」

少年は言った。

そして少年の向こう側、四月一日の目に映ったのは、比較的新しい家。

(あれはもしかして)

「…大丈夫?」

四月一日は声を掛けてきた少年にゆっくりと目を戻した。

その少年にあるのは面影。

(この子は)

流れ込む、懐かしい気持ちと蘇る、記憶。

「…そうか、よかった」

四月一日は目を閉じた。
その面影はまさしく彼のものだった。

痛みは頭から胸にゆっくりと落ちてきた。

分かってはいるが辛かった。

「…お兄ちゃん、泣いてるの?」

少年は屈み込み、俯いた四月一日の腕に触れた。


「…、大丈夫だよ」

四月一日は唇を噛み締めると、ゆっくり顔を上げ、にっこりと笑った。

「…お父さん、…お母さんは元気かな」

そう尋ねた。

今更だった。
切り離した心…の先が、気になったのだ、…百目鬼と小羽の事。

どちらも大切な者達。

「うん元気、今日も二人で出かけたよ、お見舞いに行くって」

「…そっか」

突き刺さる様な痛み。
その胸を隠すように微笑んだ。
幸せ、ならいい。
自分には二人の行く末が優しいものでと、もう願うしかなかったから。

「悲しいの?」

少年は言う。

「…え?」

四月一日はびくりとした。

「…だって偶にお父さんが見せる顔に似てるから」

胸は軋む。
少年の言葉は、容赦なく四月一日を苛んだ。

「…ううん、そんな事ないよ、悲しくない、…お父さんは笑うのが苦手なだけだよ…」

悲しくないといえば嘘だ。
でも自分で選んだのだから仕方ないのだ。

「ふうん、そうかなあ」

あどけない顔は心配そうに見ているその面影に胸は締め付けられる。

「…君にお願いがあるんだ、お父さん、お母さんを頼むね」

四月一日はそう告げると、優しく微笑み自分の腕に触れている小さな手に自分の掌を重ねたのだ。

(この未来を守ると)

自分が何をしてたかも全て思い出したのだ。

「…お兄ちゃん?お父さんもお母さんも知ってるの?」



四月一日は頷いた。

「昔からの知り合い、だよ、ずっと前からの」

「ふうん、…お兄ちゃんの方が若いよね」

「…そうだな、で、おれの方が格好良いだろ?」

四月一日は苦笑いしながら告げた。

「…、父さんかな」

少年は言う。
そりゃそうだろう。
子供に取り父親は一番だ。

「お兄ちゃんは格好良いってより…綺麗かな」

四月一日はギョッとした。

「お兄ちゃんは綺麗だよ」

「…ありがとう」

四月一日は微笑んだ。

さわさわと風が吹き抜ける。
それはなんら昔と変わらない、懐かしい匂いを運んできていた。

(…どうか、幸せで)

四月一日の胸の痛みはあれど、心は穏やかだった。

「どっか行くの?…お父さんお母さんに会っていかないの」

四月一日の横顔を見ていた少年は、腕を強く引き尋ねた。

「…ごめんね、もういかなきゃ、さっきいった事頼んだよ」

四月一日はそう言うと立ち上がる。

「行かないで」

少年は言う。

「ごめんね、…君に知って…覚えていて欲しいんだ、この先、此家もお父さんもお母さんも、…きっと先に出会う人と…大切な家族を君の出来る範囲でいい…守ってあげて」

四月一日は優しく言い聞かせる様に言った。

「お兄ちゃん?」

「…もう行かなきゃ、やらなきゃいけない事があるからね」

四月一日は真っすぐに見つめるその茶色の目を嬉しそうに見つめた。

「生まれてきてくれて有り難う、君に遭えて嬉しかった」

四月一日はそう告げる。
その気持ちに嘘はなかったのだ。




続く。



今回も大分開きましたね、一日一日が早いのは私だけでしょうか。


この話が生まれたのは、あの東日本大震災の日でした。

震度6強の揺れの中、怖くて子供を抱きながら過ごしたその日に生まれた話です。

もう一年ですね。

あの日、テレビで見た、自分で見た光景は未だ夢に出てくるほど、強烈で悲しい記憶となっています。

どうか、どうかあの日亡くなった方が彼岸で安らかであるように、そして被災された方達に降り注ぐものが少しでも優しいものでありますように、願わずにはいられません。


此処から、『Light up』⑩


写真が何枚かあった。

それは学園祭や体育祭…懐かしいものばかりだった。

賑やかな昔日を写したそれは、四月一日と今や繋がるもの。

(無い)

写っていた筈のその四月一日の姿は、抜け落ちた様にまるで最初から居なかった様にその姿は既に無くなっていたのだ。


『侑子さんが最初から居ない事に…』


そう言った何時かの四月一日の言葉が蘇る。
それは侑子があの場所から消えてからすぐだった。

『いなかった事にはさせない…居たんだ…侑子さんは』

響く四月一日の声。


「四月一日、」

バサバサとアルバムは足元に落ちていく。

落ちて、剥がれた写真には、もうその姿は何処にもなかった。

侑子がこの世から消えた時の様な事が起きていた。

視えないミセ。

あの日から消えた四月一日。

四月一日を知らないと云う双子。

そして知った、四月一日の行方。

四月一日は百目鬼の血に潜む因縁を解く為に、その身を投じたと云う。


「…お前は、」

百目鬼の胸が悲鳴を上げた様に、激痛が走った。

「…俺はお前に居て…在っていて欲しい、生きていて欲しいんだ…四月一日、」

絞り出すように出る言葉。

「…確かに俺はこれを選んだ、それはお前を一人にしない為だ、俺はいずれ死ぬ…俺が死んでも俺の子は生きている…、お前は俺の子を見ざるを得ない、お前は愛した俺の血を引く者を見捨てる事は出来ないからな、狡いと思われても、その狡さを俺は選んだ」


膝をがくりとその場に落とした百目鬼は、部屋に散らばった写真に向かい言った。

「こんな事を…俺の為に、」

胸が潰れる様に心は悲鳴を上げていた。


「こんな事をするなら何故お前は、あの選択をした?…侑子さんが消えて、お前はその時、違う選択は出来なかったのか?あの時何故俺を取らなかった?…お前が望むなら、共に地獄に堕ちても悔いはなかったのに」

それは四月一日に言わず飲み込んだ心情。

言った所でどうにもならなかったから。

然し胸の痛みは心情を吐き出す様に仕向ける。

「…俺を愛していると、共にと言ったお前が…、あの時俺を切り離したんだ」

ぐしゃりとひしゃげた写真は握り締めた拳の中にあった。

「…俺には、後にも先にもお前だけしかいないのに」

ぽたぽたと落ちる滴。


百目鬼のその眼から涙が流れ落ちていた。

「求めるのは、お前唯一人なのに」


泣いた事など殆どない百目鬼は、心の底から悲しみ泣いた。

こんな悲しく、潰れてしまいそうになったのは初めてだった。

大好きだった祖父が亡くなった時も、隠れて飼い可愛がっていた猫が死んだ時も泣く事が出来なかった百目鬼は、…悲しみに咽び泣いた。

「…四月一日」

そう愛しい名前を呼びながら。









『…ぬき』

誰かにそう呼ばれた気がした。

『わた…ぬき』

それが自分の名のかさえ分からない。

でもそれは自分なのだと知っている。

だって懐かしく感じるから。

『わたぬき』

その声は一筋の光明の様に聞こえたのだ。








「何を見てるん?面白いもんでも見えたかね」

老女は病室の窓から外を見ていた少年の背中に尋ねた。

「…待ってる」

少年は言う。
この少年は小学生中学年位だろうか。
それにしても身長は高く平均より上だろう。

「…そうかあ、こんな所、退屈やもんなあ…、お母さんの付き添いでも来てくれて有り難なあ」

少年は老女に背を向けたまま首を振った。

「…守る約束だから」

少年はぽつりと言う。

「…父ちゃんの代わりにかあ…ほんま偉いなあ」

老女はベッドに横になったまま力弱く微笑んだ 。

「…うん、母さんも大切だから、でも」

少年はまだ背を向けたままだ。

「…でも?」

老女は尋ねる。

「本当は、本当に守りたいひとがいるんだ」

少年はぽつりと言った。



「そう…小さいのに偉いなあ」

老女はその言葉にまた微笑んだ。

「一度見たんだ、…話した、それから待ってる」

少年は答える。
老女の目が見開かれた。

「…そうか…、見たんね、…元気しとった?」

その話の真意が、隠されたものが彼女には視えたのだろう。

「…泣きながら笑った、僕は泣かしたくないんだ」

まだ背は向けたまま少年は答えた。

「…泣いとったの」

老女は小さく息を吐いた。

「うん、…僕は待ってるんだ、泣かさない様にする為に」

少年はそう呟いたのだ。


続く。
いやー、本当に開きました。
別で描いている方ではもう連載はとうに終わってるんですが(笑)

ぼちぼち見て下さってる方もいらっしゃる?ようで、本当感謝しております。

虫垂炎も旦那様の腰痛も何とか治まり、毎回波乱含みの生活ですが、生きております。

で、ピグライフに嵌まっておりまして何とかレベルアップして参りましたが、イベントの方がいつもクリア成らず(泣)

今のジャガ芋なんて在庫800なのに新じゃが20も出ないんだよ!
切手すらハッピータイムに出ない!
久々に泣きました。

悔しい思いしてらっしゃる方他に居ますよね…、本当今回は酷いっす。


では気分を変えてxxxHOLiC籠の話。


『Light up』⑨





「来てくれて有り難うね、小羽ちゃんの顔見たら、元気になりそうよ」


老女は優しい微笑みを小羽に向けた。
百目鬼が退席し、二人取り残された病室で、小羽と老女は微笑み合っていた。

小羽は幼い時分に母親と離れ、この彼女の庇護の下、毎日を過ごし、成長し、やがて百目鬼と結婚しその妻となっていた。


老女は小羽に取り母親代わりで、また老女に取り小羽は、娘同然だったのだ。

「ほんに綺麗なって立派になって…幸せになって…わても母親になったようで本当に嬉しいんよ…、…でもな、今日はあんたに一つ謝らんといけんの」


老女は小羽の頬に手を充てると、優しく言葉を紡いだ。


「…おばあちゃん、大丈夫よ、私ね分かってるから、私もね、おばあちゃんに会えて本当に嬉しいの、おばあちゃんは私の大事なひと、もう一人のお母さんだから」


小羽は優しく微笑み返し、その頬に充てられた手に自らの手を重ねていた。


「有り難うな」


「…私もね、今日一つおばあちゃんに言わなきゃ…、謝らなきゃいけない事があるの」


小羽も言葉を紡ぐ。


「お互いに謝らなあ、いけん事あるんね」

その重ねられた手を互いに強く握りしめ微笑みあった。


「辛い思いさせて住まんなあ…、小羽ちゃんの幸せを、わては一番に考えとったつもりやけどなあ」



老女は小さく御免ねと告げた。
彼女が小羽の夫に告げた事は、彼が一番大切に思うひとの事…。
妻である小羽には、余り心地好い話ではなく、むしろ許せないのが一般的であろう。


「…ううん、大丈夫、私分かってるから、私は静くんと同じ…、私の一番は君尋くんなの」


小羽はその目をゆっくりと閉じた。

その胸にはどんな思いがあるのだろう。


「…けどなあ、女心は複雑なんよ、わても若い時色んな事あったから分かるんよ」


その皺だらけの優しい手は小羽と繋がれている。


「…大丈夫、私もね謝らなきゃって、…私ね」


開けられたその目にはうっすらと涙があった。


「私ね、侑子さんも大好きだった、私を掬ってくれた、君尋くんや静くんと共に」


落ちる透明な滴。


「私は…、本当は君尋くんのお嫁さんになりたかったの、…嘘なんかじゃない、そして君尋くんの子供を産みたかったの…、子沢山って言われるくらい、君尋くんのお嫁さんとして、その子供達のお母さんとしてずっと居たかったの」


そう言った小羽は優しく寂しげに微笑んだ。


「…まあまあ、そりゃあ旦那さんに悪いわなあ」


頑なに結ばれた互いの手。


「ううん、おあいこ…、君尋くんが私を選ばなかったから、だから私が静くんを選んだの、だって癪でしょう、」


小羽は言う。


「そうそううまくはいかんて事やね」


老女は微笑む。
それは母親が子供に見せるような包む笑顔。


「だからおあいこなのよ、」


小羽はそう言った。


一組の夫婦がいる。


夫は本当に愛したひと…四月一日との時間を望みながらも叶わない、また妻も愛した四月一日との時間を望みながら叶わなかった。


「小羽ちゃんは良い子や、だから旦那さんも大事にしてくれとるんよ、良い子や」


老女は小羽を抱きしめ、涙を落とした。


「皆、君の事大事に思っとるのよ、君尋くん」









「悪い、先に帰る」


そして携帯で妻の小羽にかけた百目鬼は、急用が出来た旨を伝え、自宅へと向かったのだ。

自宅に着くと百目鬼は直ぐに母屋へと向かっていた。
小羽と結婚した後新築した家とは近くにある母屋には…今は両親が住んでいた。

其処には自分が学生の折に使っていた自室がある。

早急に部屋に入り、本棚の一角から目当ての一冊の本…アルバムを取り出し、急ぎ開いたのだ。


「…、」


それは修学旅行の写真や学校行事のスナップが収納されたもので、この道を選んでからは…封印していたものだった。

小羽と結婚する事で自分なりにけじめをつけたからだ。


「…四月一日」


思わず名前を呼ぶ。

アルバムの写真には四月一日の写真があるのだ。

名前を呼べば、封じた思いはまた再燃する。

アルバムに目を落としながら百目鬼は頭の中で思い返していた。

四月一日 君尋という人の事を。

彼と、四月一日と出会い、縁があって時を共に過ごし…、同性という壁を越えてこの先も共に…と、彼と誓い合った仲だった。

その誓いは、思いは、天地神明にかけても百目鬼には嘘偽りはなかったが、…違う道を選んだのだ。

(それは)

四月一日もそれを強く進めたのだ。

彼が、四月一日が、どんな思いでそれを進めたかなんて分かりに分かっていた。

ただ百目鬼には思いがあったのだ、大事なひとの為に、これを選んだのだ。


続く。