こんばんは。
暑さ寒さも彼岸までといいますが、めっきり涼しくなりましたね!
来週辺りからインフルエンザの予防接種が始まるそうです。
もうすぐ冬が来そうですね。
とりあえず×××HOLIC籠の最終回の話⑬後編
**
「…何か、意味が」
あるのか、と、諦め気味に呟いた時、ころ、と落ちたのは、…老女から受け取った帯留めだった。
床に落ちたそれは緑色の石の蝶の形をしていた。
『人が作ったものにはね、心が宿る、そして持つ人の心を受け継ぐ』
だから物は大切にしなさい、と亡くなった祖父は言った。
「…心を、」
ふと、帯留めを介して百目鬼の眼に見えたのは、黒い生地に紅葉柄の着物を着た侑子と、赤い生地に楓柄の着物を召した…若い女性、若かりし頃の元占い師の女性がいた。
侑子は微笑んで手を差し延べた。
女性も嬉しそうに手を伸ばしたのだ。
二人の間に交わされたのはその帯留めだった。
『これは何時か、の時に』
そんな侑子の声が聞こえてくる。
『翡翠に』
赤い着物の女性が言うと侑子は微笑んだ。
蝶の帯留めは翡翠の石で出来ていた。
『アナタ達は、』
翡翠なの。
そんな声がした。
*補足。
私は自分のサイトの中で百四を陽陰の意味で翡翠と位置付けております。
翡翠=雄と雌=番=魔を払う百、魔を寄せ付ける四、対照的、と。
続く。
Android携帯からの投稿
またあきましたね。
スマホにしてからいまいち操作がわからず、空いてしまいました。
小5の息子ちんの方が使いこなしてるのには驚きですが(笑)
大好きなホリックの話を書けて嬉しいです。
では、『light up』⑬
*
「…四月一日」
涙が落ちた。
男の癖にと可笑しいと女々しいと云われるだろうが、その眼からは雫が落ちていった。
本棚に背をもたれ、うなだれ涙を流す百目鬼は、ゆっくりと眼を閉じた。
その瞼から、涙が落ちる。
とめどなく、涙は流れるのだ。
胸が、心が痛む。
どうする事も出来ぬまま、百目鬼は口元を抑え涙を落とした。
どうにもならない事がある。
叶わない願いも、届かない思いも、ある。
でもその思いは、願いは何処に行くのだろう。
『願いを叶えましょう』
百目鬼の中に不意に蘇る、声。
そんな声を聞いたのは夏の朝だった。
『四月一日を助ける対価は、…アナタの血』
今この時に聞こえてきたのは、蘇る様に脳裏に聞こえ浮かんだのは、…侑子の言葉だった。
ひしゃげた硝子、暑い夏の日に、四月一日は校舎の窓から落ちた昔日。
瀕死の重傷を負った四月一日を助ける為、侑子は百目鬼に血を対価にと告げたのだ。
一も二もなく承諾し血を与えた、血で救えるのなら、と。
それで助かるなら、と生きていて、在ってくれるならと思ったからだ。
『捕られた四月一日の目の代わりに、アナタの眼を、ね』
更に侑子の言葉が蘇る。
百目鬼にかかった蜘蛛の呪いを解く為に四月一日は自分の目を差し出し…結局は取り返せず、失った目の代わりに自分の眼を半分与えた事件。
『…そんなコトをしたら、互いに離れられなくなるわ、眼はあの子の一部となる、その眼は百目鬼くんを繋いだ血のモノでもあるのよ、血はいろんなモノを繋ぎ継ぎゆくモノだから』
「…離さない為に眼を、繋げる為に血を渡したんですよ」
百目鬼は瞼を閉じ、座り込んだままあの時の侑子の言葉に返す様に呟いていた。
「…だからこそ、これから継がれていく俺の血を見過ごせないと」
百目鬼は心の中に突如蘇った侑子に向け吐露するように話かけた。
彼女は全てを置き、消えてしまった。
それは仕方ない事なのだと分かっていても、今のこの状況を招いた彼女に、少しだけ閊えたものがあった。
『何時かの為に持っていて』
侑子はそう言ってある卵を百目鬼に渡していた。
『この卵は何も産まない、けれど持っていて』
侑子が渡した卵は二つあり、一つは四月一日に渡し、その卵は生来の不幸体質の少女九軒 ひまわりの為にその影響を受けない小鳥、蒲公英を産んだ。
百目鬼はゆっくりとその眼を開けると、何時も肌身離さず持つ、卵を取り出していた。
夕日が当たりオレンジ色した無機質な物体。
「…、」
ぽつり、と涙が手にある卵に落ちた。
然し何が起きる訳でもない。
今まで色んな危機を迎えても、これは何も生まなかった。
『それは何も産まないけれど、でも在るモノ、今アタシからアナタの手に渡り、この時に在るのには何か意味があるのよ』
侑子は言った。
続く。
大事な台詞が抜けてました…、サイト仕様になってました!
スマホにしてからいまいち操作がわからず、空いてしまいました。
小5の息子ちんの方が使いこなしてるのには驚きですが(笑)
大好きなホリックの話を書けて嬉しいです。
では、『light up』⑬
*
「…四月一日」
涙が落ちた。
男の癖にと可笑しいと女々しいと云われるだろうが、その眼からは雫が落ちていった。
本棚に背をもたれ、うなだれ涙を流す百目鬼は、ゆっくりと眼を閉じた。
その瞼から、涙が落ちる。
とめどなく、涙は流れるのだ。
胸が、心が痛む。
どうする事も出来ぬまま、百目鬼は口元を抑え涙を落とした。
どうにもならない事がある。
叶わない願いも、届かない思いも、ある。
でもその思いは、願いは何処に行くのだろう。
『願いを叶えましょう』
百目鬼の中に不意に蘇る、声。
そんな声を聞いたのは夏の朝だった。
『四月一日を助ける対価は、…アナタの血』
今この時に聞こえてきたのは、蘇る様に脳裏に聞こえ浮かんだのは、…侑子の言葉だった。
ひしゃげた硝子、暑い夏の日に、四月一日は校舎の窓から落ちた昔日。
瀕死の重傷を負った四月一日を助ける為、侑子は百目鬼に血を対価にと告げたのだ。
一も二もなく承諾し血を与えた、血で救えるのなら、と。
それで助かるなら、と生きていて、在ってくれるならと思ったからだ。
『捕られた四月一日の目の代わりに、アナタの眼を、ね』
更に侑子の言葉が蘇る。
百目鬼にかかった蜘蛛の呪いを解く為に四月一日は自分の目を差し出し…結局は取り返せず、失った目の代わりに自分の眼を半分与えた事件。
『…そんなコトをしたら、互いに離れられなくなるわ、眼はあの子の一部となる、その眼は百目鬼くんを繋いだ血のモノでもあるのよ、血はいろんなモノを繋ぎ継ぎゆくモノだから』
「…離さない為に眼を、繋げる為に血を渡したんですよ」
百目鬼は瞼を閉じ、座り込んだままあの時の侑子の言葉に返す様に呟いていた。
「…だからこそ、これから継がれていく俺の血を見過ごせないと」
百目鬼は心の中に突如蘇った侑子に向け吐露するように話かけた。
彼女は全てを置き、消えてしまった。
それは仕方ない事なのだと分かっていても、今のこの状況を招いた彼女に、少しだけ閊えたものがあった。
『何時かの為に持っていて』
侑子はそう言ってある卵を百目鬼に渡していた。
『この卵は何も産まない、けれど持っていて』
侑子が渡した卵は二つあり、一つは四月一日に渡し、その卵は生来の不幸体質の少女九軒 ひまわりの為にその影響を受けない小鳥、蒲公英を産んだ。
百目鬼はゆっくりとその眼を開けると、何時も肌身離さず持つ、卵を取り出していた。
夕日が当たりオレンジ色した無機質な物体。
「…、」
ぽつり、と涙が手にある卵に落ちた。
然し何が起きる訳でもない。
今まで色んな危機を迎えても、これは何も生まなかった。
『それは何も産まないけれど、でも在るモノ、今アタシからアナタの手に渡り、この時に在るのには何か意味があるのよ』
侑子は言った。
続く。
大事な台詞が抜けてました…、サイト仕様になってました!
こんばんは。
持病が悪化しまして少しピグもセーブしてました。
持病悪化でも仕事は待ってくれないし、生活の為にも仕事はしなくちゃ行けないし(笑)
そんな中でも細々と趣味たるモノ書きしてます…ストレス発散の為。
と、気を取り直してxxxHOLiC籠の最終回の話。
*Light up⑫*
「ねえ、また逢える?」
少年は四月一日の腕を離さずにぽつりと言った。
「…それは」
もう逢えない、と言う答えを四月一日は飲み込んだ。
「だってそんな顔するお兄ちゃんを放っておけないよ、逢えるよね」
「…え、それは、」
少年は引き下がらない。
「お父さんもお母さんもみんな…、守るよ、…約束する、だから逢えるよね」
懸命に言う少年の眼は、その体に流れ継がれてる血故なのかと懐かしく思った。
「…約束、は出来ない、な」
四月一日は言う。
「…じゃあ僕も約束しない、」
子供なりに懸命なのだろう、少年は叫ぶ様に告げた。
「…駄目だよ、お兄ちゃんは本当に帰ってこれるか分からないんだ、だから」
「駄目、帰ってくると…逢えると約束して」
幼い彼…百目鬼に言われてる様な錯覚に四月一日は困惑した。
「約束して」
少年はぎゅっと四月一日の懐に飛び込んできたのだ。
「今日初めて会ったばかりじゃないか、…どうして君はそんな事言うのかな、」
四月一日は宥める様に言う。
「違う、今日じゃない」
少年は首を振った。
「ずっと前から」
少年の茶色の眼は四月一日の色違いの目を捕らえたのだ。
「…ずっと前から知ってる、僕は、」
…、だもの、と四月一日に言った。
「『…を、待ってるんだ』」
その言葉に、綺麗な色違いの四月一日の瞳から涙が落ちた。
少年の言葉は四月一日には聞こえなかった。
いや故意にノイズが入り聞こえなかった…まだ聞く時ではないのだろう。
でも聞こえない筈のその言葉は、何故か四月一日の心を打ったのだ。
胸が閊える様に、痛んだ。
何故だか涙が落ちた。
もしかしたら、少年の言葉は、四月一日が望んだ言葉だったのかもしれない。
「…行くね、」
四月一日はそう言葉を置くと、ゆっくり歩き始めたのだ。
「…お兄ちゃんっ」
駆け寄りかけた少年に、四月一日は術をかけたのだ。
少年はゆっくりと瞼を閉じた。
「…かならず、帰って…きて」
伸ばされる手。
「…ごめんね」
四月一日は、その場に倒れかけた少年を抱き取ると、抱き上げたのだ。
「ごめんね」
その時ぽつり、ぽつりと雫が落ちてきたのだ。
「さっきまであんなに晴れていたのにな」
黒い式服を召した四月一日は、いつの間にかどんよりと曇った空を見上げて言った。
「まるで涙雨だな」
四月一日は小さく笑った。
しとしとと降り始めた雨の中、懐かしいこの見慣れた風景も、四月一日が店に繋がれてから大分時間が経ったのだろう。
四月一日が在った頃にはなかった場所に建物がある。
そしてこの少年の為のものか、小さなブランコもあった。
(ちゃんと父親してんだな)
痛む胸を抱えながら四月一日は見納めとその目に景色を焼き付けるように眺めていた。
「こんなに清しい風変わってねえな…、このまま在ってくれ…あいつを、此子を…この先に継がれいく子供達を護ってほしい」
四月一日は優しくそう言葉を紡いだ。
言の葉に願いを篭めて。
ざわざわと木々が揺れる。
「…今までありがとな、…百目鬼」
独り言の様に呟き、四月一日は庭を後にする。
(本当に好きだったよ)
少年を母屋の縁側に取り込んであった布団の上に寝かせると、優しく微笑んだ。
「最期に見せてくれて、機会をくれてありがとな」
四月一日はそう告げ少年の涙を優しく拭ったのだ。
「行くね」
この百目鬼の家の血に隠れた呪を解くため、身を投じたのは随分前…、その合間に四月一日の心は、彼を…百目鬼を求めてしまったのだろう、この時につかの間だが在ってしまったのだ。
「…ありがとう、」
四月一日は今自分を取り巻く全てに向かい言葉を発したのだ。
そしてそっと、愛しいひとと繋がる目の瞼に手を宛てた。
(…百目鬼)
名前を心の中で呼んだ。
「最期まで傷つけて…ごめん、」
また涙が流れたのだ。
続く。
持病が悪化しまして少しピグもセーブしてました。
持病悪化でも仕事は待ってくれないし、生活の為にも仕事はしなくちゃ行けないし(笑)
そんな中でも細々と趣味たるモノ書きしてます…ストレス発散の為。
と、気を取り直してxxxHOLiC籠の最終回の話。
*Light up⑫*
「ねえ、また逢える?」
少年は四月一日の腕を離さずにぽつりと言った。
「…それは」
もう逢えない、と言う答えを四月一日は飲み込んだ。
「だってそんな顔するお兄ちゃんを放っておけないよ、逢えるよね」
「…え、それは、」
少年は引き下がらない。
「お父さんもお母さんもみんな…、守るよ、…約束する、だから逢えるよね」
懸命に言う少年の眼は、その体に流れ継がれてる血故なのかと懐かしく思った。
「…約束、は出来ない、な」
四月一日は言う。
「…じゃあ僕も約束しない、」
子供なりに懸命なのだろう、少年は叫ぶ様に告げた。
「…駄目だよ、お兄ちゃんは本当に帰ってこれるか分からないんだ、だから」
「駄目、帰ってくると…逢えると約束して」
幼い彼…百目鬼に言われてる様な錯覚に四月一日は困惑した。
「約束して」
少年はぎゅっと四月一日の懐に飛び込んできたのだ。
「今日初めて会ったばかりじゃないか、…どうして君はそんな事言うのかな、」
四月一日は宥める様に言う。
「違う、今日じゃない」
少年は首を振った。
「ずっと前から」
少年の茶色の眼は四月一日の色違いの目を捕らえたのだ。
「…ずっと前から知ってる、僕は、」
…、だもの、と四月一日に言った。
「『…を、待ってるんだ』」
その言葉に、綺麗な色違いの四月一日の瞳から涙が落ちた。
少年の言葉は四月一日には聞こえなかった。
いや故意にノイズが入り聞こえなかった…まだ聞く時ではないのだろう。
でも聞こえない筈のその言葉は、何故か四月一日の心を打ったのだ。
胸が閊える様に、痛んだ。
何故だか涙が落ちた。
もしかしたら、少年の言葉は、四月一日が望んだ言葉だったのかもしれない。
「…行くね、」
四月一日はそう言葉を置くと、ゆっくり歩き始めたのだ。
「…お兄ちゃんっ」
駆け寄りかけた少年に、四月一日は術をかけたのだ。
少年はゆっくりと瞼を閉じた。
「…かならず、帰って…きて」
伸ばされる手。
「…ごめんね」
四月一日は、その場に倒れかけた少年を抱き取ると、抱き上げたのだ。
「ごめんね」
その時ぽつり、ぽつりと雫が落ちてきたのだ。
「さっきまであんなに晴れていたのにな」
黒い式服を召した四月一日は、いつの間にかどんよりと曇った空を見上げて言った。
「まるで涙雨だな」
四月一日は小さく笑った。
しとしとと降り始めた雨の中、懐かしいこの見慣れた風景も、四月一日が店に繋がれてから大分時間が経ったのだろう。
四月一日が在った頃にはなかった場所に建物がある。
そしてこの少年の為のものか、小さなブランコもあった。
(ちゃんと父親してんだな)
痛む胸を抱えながら四月一日は見納めとその目に景色を焼き付けるように眺めていた。
「こんなに清しい風変わってねえな…、このまま在ってくれ…あいつを、此子を…この先に継がれいく子供達を護ってほしい」
四月一日は優しくそう言葉を紡いだ。
言の葉に願いを篭めて。
ざわざわと木々が揺れる。
「…今までありがとな、…百目鬼」
独り言の様に呟き、四月一日は庭を後にする。
(本当に好きだったよ)
少年を母屋の縁側に取り込んであった布団の上に寝かせると、優しく微笑んだ。
「最期に見せてくれて、機会をくれてありがとな」
四月一日はそう告げ少年の涙を優しく拭ったのだ。
「行くね」
この百目鬼の家の血に隠れた呪を解くため、身を投じたのは随分前…、その合間に四月一日の心は、彼を…百目鬼を求めてしまったのだろう、この時につかの間だが在ってしまったのだ。
「…ありがとう、」
四月一日は今自分を取り巻く全てに向かい言葉を発したのだ。
そしてそっと、愛しいひとと繋がる目の瞼に手を宛てた。
(…百目鬼)
名前を心の中で呼んだ。
「最期まで傷つけて…ごめん、」
また涙が流れたのだ。
続く。