俳句・ショート-ショート      家猫らんちゃんの怒り (4) | 俳句のとりな

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サンルームから覗いていた見慣れない動物は、ダックスフント

とかいう、わんちゃんだった。


なにやら、舌を噛みそうだけど、名前を「ショコ」と言うのだとか。

 

「らんちゃん、これからショコも一緒に住むようになったから、よ

ろしくね」

 

奥様は、ショコの長い胴体を撫でながら、そう言うけれども、馬

の目のような目が、どうも好きになれそうもない。

 

今まで一人天下だったのに、同居生活になったから、大変。


結局、 らんちゃんは、 主にご主人様から世話を受け、ショコは

様から面倒をみてもらうことに。

 

それで、これまで、らんちゃんの生活圏だった二階をショコに譲

り、らんちゃんは一階で生活することになったんだ。

 

問題は食事。


一階の台所で食事をするのが決まりで、それぞれ別々に食

が用意されていた。

 

食事内容は、 熱いものなどが食べられないので、 栄養を考え

たカリカリが中心。


同じようなカリカリだが、似ているようで、違う。

 

あるとき、らんちゃんが、ゆっくりと時間をかけて味わっている傍

で、ショコは、あっというまに自分のものを平らげてしまった。

 

さらに、なんと、驚いたことに、らんちゃんの食器に首を突っ込ん

できたではないか。

 

これには、 さすがに、 らんちゃんも頭にきて、思わず猫パンチを

食らわせてやった。

 

そんなトラブルがあったものだから、食事時間をずらすことになり、

らんちゃんが食事をしているときは、ショコは二階で待つことにな

ったんだ。

 

ところが、ショコは、らんちゃんよりも体が大きいし、とてもお腹が

すくらしい。


らんちゃんが食事をしている間も待てなくて、階段をかけおりよう

としたものだから、ものすごい音をたてて、落ちてしまった。

 

幸い、 たいした怪我もなく済んだのだけど、 しょげているショコを

見て、さすがに可哀想になってしまったよ。

 

むろん、それからは、ショコには先に食事をして貰うことにしたんだ。

 

[今日の一句]


・沸きやまぬスパークワイン置炬燵

 

 

 

 

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「はじめまして」(第1回)
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