本日は、居待月ですが、生憎の曇空です。
次第に、月の出が遅くなりますので、座敷で座って待つことから、
居待月と。
帯ゆるく締めて故郷の居待月 真砂女
月見に欠かせないものが、「芒」(すすき)。
月見の芒は、月の神の依り代で、十五夜にあらわれた月の神は、
芯がなく中空の芒の茎に宿るとされていたとか。
「芒」は、イネ科の多年草で、「薄」とも書き、別名を「尾花」「萱」と
も。「尾花」の名で、秋の七草に。
万葉集には、「芒」(禾の意)の歌が46首も掲載されており、「尾花」
(19首)、「薄」(草むらの意 16首)、「萱」(11首)の名で登場します。
一つの植物が三つの名で掲載されるのは、珍しいとのこと。
それぞれの語源をみてみると、「尾花」は穂の出た状態が動物の
尾を思わせるところからであり、「薄」は、すくすくと立つ木を意味、
また「萱」は草を刈って屋根をふく(刈り屋根)ところからきたと言わ
れています。
秋づけば尾花が上に置く露の消ぬべくも吾は思ほゆるかも
日置長枝娘子
さ男鹿の入野の薄初尾花いつしか妹が手を枕かむ
紅の浅葉の野らに刈るかやの束の間も吾を忘らすな
俳句で、芒の季語で、よく知られているのが、次の句。
をりとりてはらりとおもきすすきかな 蛇笏
山は暮れて野は黄昏の薄かな 蕪村
近代の俳句にも、秀句が多く、万葉以来、「すすき」は秋には欠か
すことのできない風物詩の一つになっているようです。
[今日の一句]
・鎌の手を宙に留めおく花すすき
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