俳句エッセイ    雨を降らせる花とは | 俳句のとりな

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この地域も梅雨入りしましたが、この時季特有の「雨降花」(あめ

ふりばな)という言葉が。

 

摘み取ると、雨が降って来ると言い伝えられている草花のことで、

蛍袋や靭草を言う人もあれば、昼顔や梔子をいう人も。ほかに谷

空木やあやめなどを言う場合もあるようです。

 

いずれも、 雨に濡れる姿に風情のある花で、 そういう意味では、

紫陽花も入るのかもしれません。

 

このうち「蛍袋」は、 キキョウ科の多年草で、日本全土の原野や

路傍に自生。


この時季、枝の先端に提灯を下げたような釣鐘形の花を、下向

きにつけます。

 

花の色は、淡紅紫色が多いようですが、白色や淡紅色、淡紫色

も。

 

その様子が、提灯(火垂る袋)に似ているところから、「蛍袋」と言

われ、釣鐘草、提灯花、風鈴草とも。


花筒に蛍を入れて持ち帰るというのは、どうやら俗説のようです。

 

 逢ひたくて蛍袋に灯をともす 岩淵喜代子
 まつすぐに蛍袋に夜がくる 保坂敏子

 

[今日の一句]

 

・逝きしもの蛍袋に宿りゐて

 

 

[合同作品集『金蘭』より自解]

平成二十八年

 

・ふいに聞くイエスタデーや秋の声

 

幾分、涼しくなったなと感じるようになったころ、ビートルズの『イ

エスタデー』という曲が。

 

平成28年8月、テレビ・NHK俳句佳作、堀本裕樹選。

 

・反対と胸に朱書きや捨案山子

 

マンション建設にでも反対したのか、用済みの案山子が無造作

に捨てられていました。

 

平成28年度NHK全国俳句大会入選。

 

・切通し色なき風の渡りきて

 

この地域に多い切通し。季節それぞれに、それぞれの風が通り

ぬけていきます。

 

平成28年度NHK全国俳句大会入選。

 

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