歌ことばに、「春の別れ」が。
卒業、 進学、就職、転勤、退職と、それに伴う引越しなど、春は
別れの季節ですが、 歌ことばとしての「春の別れ」は、人との別
れではなく、過ぎてゆく春との別れ。
勅撰集などを見てみると、夏と冬の別れの歌はなく、秋が26首、
「春の別れ」は29首と最多とか。
待てといふに留まらぬものと知りながらしひいてぞ悲しき春の
別れは
(新古今集)
一方、俳句では、「春の別れ」は、「行く春」の傍題となっています
が、例句は少ないようです。
テレビのNHK俳句の第3週は、今月から講師は西村和子さんで、
句会の話題がテーマとのこと。
1年間、楽しみですが、合同作品集『金蘭』に収録したものは、句
会の作品が中心ですので、振り返ってみることに。
参加したのは、11年前で、NHKカルチャーセンターの句会形式の
講座。
初日は、投句なしですが、選句をすることに。
俳句歴10年以上のベテラン揃いのなか、見よう見まねで、なんと
か終え、講師より、「初日の見学だけで、来られない人も多いので
すよ」との言葉に、「いえ、やめません」と言い切った記憶が。
投句をした、実質的初句会の結果は、5句提出で、2点が1句、1点
が1句、講師の選が1句でしたので、ほっと、安堵したもの。
講師の選句した句については、後で触れることに。
[合同作品集『金蘭』より自解]
平成二十一年~平成二十四年
・香り立つシフォンケーキや笑初
平成24年1月、 初句会の句で講師選。シフォンケーキはスポン
ジケーキの一種で、絹織物のような感触が好きで、その後も詠
むことが。
・新品の防犯燈と冬薔薇
平成24年11月、講師特選句。
原句の「防犯灯や」を推敲し、「防犯灯と」にしたもの。
・大寒のステンドグラス奏でをり
平成23年1月、講師の特選句。寒さにステンドグラスが歌ってい
るように思えたもの。
[今日の一句]
・うつうつと春の別れとなりにけり
まもなく立夏。新型コロナウイルスとの別れは、いつに。
[俳句を始めたいかたへ]
9年間の俳句生活で学んだことを、初心者向けに、131回に亘って、
綴っています。
「はじめまして」
https://ameblo.jp/originalk/entry-12515820857.html

