FIRチャンネルデバイダの作成【20】完成編!

マルチアンプシステム向け、FIRフィルター搭載チャンネルデバイダー(チャンデバ)自作に関連する記事の一覧はこちら!

 

いやはや、やっと完成です。

だいぶ前に完成?はしていましたが、電源まわりとかを調整していたりと、なんだかんだ1年近くこねくりまわして、やっと落ち着いた感じです。

 

  まずは、チャンネルデバイダ部分

結局前回のチャンネルデバイダでのデジタルボリュームは使わずに、PGA2310を使ったボリュームを採用したため、シンプルにクロスオーバーと、PEQ(パラメトリックイコライザー)を実装。
これまで記事にしていない部分ですと、サンプリング周波数が変わったときに、プチプチとロックできない音がでるので、アンロックを検出して、ちょっとミュートする部分を付け加えた感じです(左上部分)。

 

 

4WAYシステムなので、クロスオーバーは、

・20Hz〜505Hz (L-R 192db/oct相当)

・505Hz〜4096Hz(L-R 192db/oct相当)

・4096Hz〜10252Hz(L-R 192db/oct相当)

・10252Hz〜(L-R 192db/oct相当)

としました。


ツイーターの設定だとこんな感じになります。

 

いずれもL-R 192db/oct相当と、かなりの急激な減衰をかけ、またクロスオーバー周波数を、

・505Hz B4〜C5

・4096Hz B7〜C8

・10252Hz D♯9〜E9

のように、十二平均律音階の中央あたりに調整しました。
 

このため、たとえば、

・B4の音は、ウーハーから

・C5の音は、スコーカーから

のように、楽器の基本的な音階においては、同時に同じスピーカーを鳴らさないようにすることで、解像度をグッとあげています。
※結構これは効果あったと自画自賛。DSP(ADAU1467)がないと出来ない技です。無論スイープするような音には効果ありませんが。

 

パラメトリックイコライザーについては、バスブースト(Linkwitz Transform的な目的と)の役割と、自分の部屋にあわせた調整をしています。バスブーストかけたことで、低域の群遅延もかなり抑えらました(ここはまだまだチューニングの必要あり)。

※15kHz以上は無視・・・。
※40Hz以上で、-6dbくらい平均的にかけるだけでもよさそう〜と最近思っているが、面倒で触っていない。

 

スピーカーは自家製の、3Way+FOSTEX T90A
※本当は、バッフルを青く塗ってエッジを黒く塗って、、、どこぞのスピーカもどきにしうようと思ったけど、やってない。そもそもコーン白くないし。

※バスレフポートは円形ダクトではなく、最下部のスリット方式。低音の大音量だと、バフバフするけどそこまで気にしない。

※スピーカーは作りなおしたい・・・反省点いっぱい。

 

 

各ユニットにおいては、

・ウーハー(DaytonAudio RS255-8):+6db
・スコーカー(DaytonAudio RS52AN-8):+0db
・ツイーター(DaytonAudio RST28A-4):+2db

・スーパーツイーター(FOSTEX T90A):-4db

の補正を、PGA2310のデジタルボリューム側でかけています。
※自分の視聴位置がどうしてもスピーカー正面の45度くらいになるので、ツイーターに少し強めの補正かかっているので、スピーカー正面で聴くと、少々シャリシャリ・・・。

 

  測定結果

さて、こんな感じのシステムで、実際に視聴位置で計測した結果がこんな感じ。
※赤線は、PEQをかけていないもの。青線は補正後

まあまあ、いい感じじゃないかなと。一応26Hz〜15kHzで、±4dbくらいにはなっているかな。低域の測定はあてにならないけど、バスブースト部分は確実に再生音に影響していると思われ、パイプオルガンや、バスドラムサンドはかなり豊かになりかつ、群遅延的なモコモコも気にならなくなりました(自己満足)。

 

  システム全体

結局、ADAU1467を利用することで、8chのチャンネルデバイダとなったわけで、そうなると必然的に、

・8chボリューム

・8chアンプ

が必要になってくるので、それぞれガツガツ作成して、3Uの筐体に収めました。

こいつ1台で、COAXIAL⇒8chスピーカー出力できるので、機材ほとんどいらなくなりました。
※真ん中のDS8は、使われず放置・・・。だって96kHzしかロックしないんだもん。192kHz音源がいいかどうかは別として。

 

【入力DDC】

・WM8805 思い切ってCOAXIALのみとしています。

既製品をそのまま流用。

※この基盤というかこの基盤と、ADAU1467間のI2S通信部分が裸線になるので、できるだけ短くしないと、外来ノイズでやられやすいです。

【DSP(チャンネルデバイダ)】

・これまでの記事通り、ADAU1467

【DAC】
・PCM5142 × 4個

ADAU1467のI2S出力をPCM5142に渡してアナログ化

 

【ボリューム】

・PGA2310 × 4個(個別制御可能)

・制御用 Arduino Uno

・表示用 ILI9341


8ch個別にGAIN設定+全体GAIN設定+左右バランス設定可能
 

【アンプ】
・TPA3251 × 4個

・アンバラ⇒バランス DRV135

 

【電源】

・デジタル系:5V、トランス⇒リニアレギュレター

・アナログ系:±5V、トランス⇒リニアレギュレター

・アンプドライブ:36V、スイッチングレギュレター

 

入力部のDDCと、ADAU1467、スイッチング電源以外は、結局、全部基盤を起こしてしまいました。
やはり、I2C周りを8ch分取り回すとなると、結局基盤おこさないとだめだし、
市販のTPA3251系アンプ(中華製のTPA3255はいろいろあるが・・・)は、なんか気に入らない(特に入力側の単純なオペアンプでのバランス化や、出力段のフィルター回路の部品とか・・・)ので、つくちゃった・・・みたいなオチです。

 

机上の計算上で、アンプの出力部分までの歪を多く見ても0.006%、という数字なので(他の回路の影響はみないこととして)まあ、なかなか優秀じゃないかな〜と。

 

として、いい音でてると思っています(自己満足)。

原音再生、というか、ソースに忠実な再生ができているので、駄目な録音、もよくわかったり・・・。

 

ではでは、音楽ライフ楽しんでくださいませ!