オリエントナノ便り

 

お客様各位

 

拝啓 猛暑の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 

今世界的な規模で猛暑が続き、人間の利己的な経済活動が引き起こした地球温暖化が予断を許さない状況にあることを突き付けられているように感じます。

 

私の大好きな作曲家(ドイツ生まれ)にマックス・リヒターと言う方がいます。

彼のCDは何枚も持っているのですが、最近「Voices」と言う10年の年月をかけて創られたCDを聴き、ガツンと来ました。マックス・リヒターは「Voices」は1948年に国連総会で採択された【世界人権宣言】の基本となる考え方にインスパイアされた美しい音楽の旅だと語っています。このCDでは70を超える言語による世界人権宣言の朗読の断片がコラージュされ、バックにリヒターの音楽が流れて行きます。作品のきっかけとなったのはグアンタナモ収容所で人々がどのような扱いを受けて来たのか、隠された真実が明るみに出たことだそうです。第二次世界大戦の暗い時代からの脱却、復興を目指し、人類にとって素晴らしい世界を再構築するべく出された【世界人権宣言】でしたが、どこかで人間は道を失ってしまったのだと思います。又彼は近年「世界各国で見られるナショナリズムの台頭、ポピュリズム(大衆迎合)、ゼノフォビア(外国人排斥)と言う動きはどれも民主主義、文明社会に逆行するものだ、そして私達は何をして来たのだろう?と思った時にこの美しい「世界人権宣言」の言葉があった。ここで謳われているのは可能性、そして未来。それは人の心を鼓舞させるあらゆる人の為のものだ」とも語っています。

「全てのひと、、」で始まるこの宣言を聞いていると、こんな素晴らしい宣言が出されたのに、今の世界の現状は全て逆行しているじゃないかと絶望を感じます。

しかし今こそ一人ひとりが人間の未来について真剣に考える時だと思いました。

 

さて、まだまだ夏本番です!

暑さにめげず、ご自愛下さいますように、、、、

何卒今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

                                   敬具

                        令和5年7月31日

                           代表取締役 花輪麻美