今回の旅の目的であるトリノの町に行きました。

 

話は遡りますが、2006年に私は歌舞伎を観に行き、その時見た天守物語と夜叉が池という作品がとても心に残ったのです。泉鏡花の不思議な世界に、玉三郎と当時の海老蔵が余りに美しく融合していてとても魅せられその後資料を集め作品を作りました。ジュエリーは身に着けるものですから極力恐ろしい部分は無くして神秘的なイメージだけ残し制作しました。


出来上がった時点で、この作品は販売はしないでいつか美術館にと思い保管していたのですが、2年ほど前から本格的にイタリアの美術館を調べはじめました。というのも日本の美術館では常設展示はしてくれないことは分かっていたからです。日本の物語がテーマであるからこそイタリアの美術館にと思っていて、カメオを制作したイタリアのアニエロ・ペルニーチェさんのいるカメオの町トーレデルグレコはどうかと思いました。ですが、ネットで見ると、とてもラフな場所でガラスを割ればすぐに取られそう(笑)もともとナポリ近くで酷く危険な場所なのです。ちょうど来日中のキュレーターのエルマンノ・テデスキさんに相談したところ「責任持って良いところを探す」と約束してくれました。


それからしばらく経って、彼から連絡があり、紹介されたのがこのトリノのAccorsi-Ometto美術館だったのです。

ここは博物館でもあり18-19世紀の装飾品や家具などが中心に展示されており、小さなもののセキュリテイもしっかりしています。2つの作品はテーマが古い物語のためクラシックな具象作品でこの美術館にまさにぴったり。トリノには2回行ったことがありましたが、美術館には行ったことがなく少し心配でしたが、何度も彫刻家長谷京治氏とテデスキさんが足を運んで打合せしてくださり、全面的に信頼してこちらに決めました。先方でも審査して下さり常設展示を約束してくれました。

前置きが長くなりましたが、こうして決まったレセプションの当日10月23日、まず法務局で立ち合い人の前で正式な手続きを終え美術館へ。この美術館は、有名なコレクターのアッコルシ氏が自分が集めたすべてのコレクションを館ごと美術館にするようにオメット氏に託し、その遺志をついて1999年に設立されたものです。館長マナ・ルカ氏はじめ、職員全員にこの美術館に対する誇りと愛情がとても感じられました。

 

式典はまず初めに館長のルカ・マナさんが作品を説明し私を紹介し、私が下手なイタリア語であいさつ(笑)皆さん拍手してくれましたが大丈夫だったのでしょうか(笑)そのあと、ジュエリー評論家のドットレッサ、パオラさんが今回の作品の説明や私の紹介、作品のルーツや深く掘り下げての評論もしてくれました。イタリアでは、ジュエリー評論家はちゃんと学校を出てドクターの資格試験に合格しなくてはなれないそうです。そのあとキュレーターのエルマーノ・テデスキ氏が今回のいきさつを話し、乾杯となりました。イタリアの有力新聞社のラ・スタンパの方がカメラマンと来てくれ、かなり詳しい内容を質問されましたが、翌日は素晴らしい記事にしてくれました。

一番上の写真です!


ようやく終わって、関係者とお食事に。白トリフのたくさんかかったタリアテッレ美味しかったです!その後ミラノに帰りました。長い一日でしたが、本当に皆さん良い人で、作品も大事に扱ってくれて感謝です。

 

トリノはフランスに近く、とてもエレガントで上品でサヴォイア家の王宮もあります。

イタリアの首都だった時代もあり、イタリア第四の都市です。日本でいえば、金沢みたいな街でしょうか。

 

是非いらしてみてはどうでしょうか。ミラノから一時間十分日帰りできます。

チョコレートとビッチェリンでも有名です!

 

Signore e Signori 

Grazie di cuore per la vostra presenza oggi.

Mi chiamo Kaoluco Mizuno, sono una designer di gioielli giapponese e da quarant'anni svolgo questo lavoro con passione.

Mio marito, Kyoji Nagatani, e' scultore e fino a tre anni fa ha vissuto a Milano.

Io vivo in Giappone, ma torno spesso in Italia per creare opere ispirate a questo Paese e per presentarle in mostre personali.

Diciotto  anni fa,  ho visto a uno spettacolo di Kabuki, sono rimasta profondamente toccata dalle sue storie e ho realizzato due giorni ispirati a racconti giapponesi.

Non erano pensati per la vendita: desideravo che fossero esposti in un museo, visibili a tutti, ai bambini e ai visitatori di ogni paese.

Per noi artisti, sapere che le nostre opere possono essere condivise con il publico e' la gioia piu' grande.

E ' per me un grande onore che le mie opere siano ora esposte accanto alla preziosa collezione raccolta da Accorsi, qui al museo Accorsi-Ometto, e proprio in questa dimora dove, centocinquarant'anni fa, visse il pittore Antonio Fontanesi, sinmbolo del legame artistico tra Itaria e Giappone. 

Spero sinceramente che questo evento diventi un ponte di amicizia e di fiducia tra

i nostri due Paesi.

Infine, ringrazio con tutto il cuore il dottore Luca Mana, tutti i collaboratori del museo, e mio marito Kyoji Nagatani, che mi sostiene sempre nel mio lavoro in Italia.

Un ringraziamento speciale anche al signor Ermanno Tedeschi per la sua sensibilita' e il suo impegno.

Grazie infinite.