毎日の施術において、
以前より、より強く感じるようになったことは、
手が感じ取る情報ほど大事なものはないということ。
当初は目で見た肌の色や艶、身体のラインなどばかりを頼りにしていました。
施術をすればするほど、手で読み取る情報が多くなってきたことを実感します
冷たさや湿度、温かさ、次第に皮下の塊が溶けていく感覚
目
は口
ほどにものを言うとは言いますが、手は口以上に気持ちをリアルに伝えるもの、怖いくらいに。
口では嘘も言えますが、肌に嘘はつかせらせませんね。
ごまかしのきかないコミュニケーションの手段
手話やジェスチャーも。
単に「こんなに大きなものが」と言う場合と、
両手いっぱい広げて「こーんなに」と言う場合とでは全く違ったサイズになっちゃいますね。
人は真剣に意志を伝えようとする時、心からの気持ちを表現したい時、
全身の筋肉を総動員して表現しようとし、中でも手が重要な役割を果たしているのだと思います。
私の仲間の一人は、
皆で飲んだ別れ際
、必ず皆と笑顔で握手をします。「今日はありがとう。楽しかった。気を付けて」
とてもさりげなく（これが重要）
仕事の際のビジネスライクな握手とはまた違い、
親しき仲にも礼儀あり…という感じ。さらに絆も強くするような、
素敵な習慣だなと。
ただし、それだけ気持ちや感覚の問題でもあるため、
場合によってはおかしな誤解を招く恐れがあるこも
重々承知しておく必要はありますけれど
握手には、経験や自信などが表れるとよく聞きます。
手をオープンに差し出せる人は、自信がある。
心もオープンな証拠。どっからでもかかってこい
きっと、おそらく、自分から手を差し伸べられる人でもあるような気がするのです。
困っている人や助けが必要な人へ、さっと手を。
まあ、わからないですれど、ね。
でもやはり、手の力ってさりげなくてとても大きい。
落ち込んだときに、ポンと肩に置かれる手。
痛いの痛いの飛んで行け～の手。
今でも夕暮れになるとふと思い出すのは、
幼かった頃、夕闇の砂利道を歩きながら、
ギュッと握ってくれたおばあちゃんの温かくてポッテリとした手。
夕焼け小焼けのリズムに合わせて握られた手を大きく振りながら
暗い道も、ホウホウ鳥の鳴き声も全然怖くなくて、安心して、穏やかで幸福で。
皆さんにもきっと、大切な手の記憶、あることと思います。
だからこそ、手で勝負する、セラピストという仕事に誇りを感じます。
そんなふうに、誰かの記憶に残る手、になりたいですね。
心に深く届くような施術、目指すしかないです
当たり前のことですが、心、心
が大事ですね。よい仕事には必ず相手を思いやる気持ちが伴うもの。
仕事を無事終え、別れ際に、最高に気持ちの通じ合った握手ができたら、
また次もうまくいく、そんな気がします