あなたが怒りを喉を緊張させて抑え込むことに成功すると喉の奥に空洞を感じるようになる。

その空洞は空虚で空気はどんよりしているのに、怒りが充満している。

何に対する怒りなのかはもう分からなくなっているから、その怒りは何にでも向かう事ができる。

全く関係ない人や物や出来事に対してでも、怒りを発散するとその瞬間は力を感じる事ができるが、そのうちに怒りにあなたがコントロールされるようになる。

あなたは怒りを発散するために生きるようになる。

自分は最低だな、と思いながらも怒りを発散させる事から逃れられない。

あなたに何か楽しい事があってもその怒りの空洞が楽しむ事を妨げる。

どうやって怒りを抑えているかに気付いて今のあなたに合った別のやり方を始めないとあなたは怒りに支配され、全てを破壊したくなってしまう。

怒りを喉の奥に押し込んて、そもそも怒りなど無いふりをすると、緊張は持続し、顔の裏側で虫が這い回るような嫌な感覚が残る。


どうやっても消えないあなたの顔の裏の虫が、ギャンブルに勝った時だけ、酒を飲んだ時だけ、薬をやった時だけ消える体験をしてしまうと、それが何であれあなたはそれから逃れられなくなる。

「親の期待に応えて自分に対するプレッシャーから一刻も早く逃れたい」と子供のあなたが決意した時、あなたは喉を締め、親のために自分の心を殺そうとする。


成長して親に反抗してもあなたが締めた喉はそのままだ。

だからあなたが親に「私の自由を邪魔しないで」と怒鳴って自分の部屋にこもった時も、あなたは自分が本当は何をしたいか全くわからない事に気付いていた。


今も子供に「やりたい事を見つけてそれに向かってしっかり勉強しないと間に合わなくなるよ」と叱りながらあなたの喉は締まったまま、あなたの自分は死んだままだ。


あなたが慢性的に飢えているものはなんだろう?お金、健康、恋愛、家庭、成功、名声、人によって違うが、共通しているのはやってもやってもまだ届かない。まだ先がある、もっと持っている奴がいる、という風に感じられるという事だ。

あなたが欲しいのはそれではない。

あなたが慢性的に何かに「飢え」を感じる時、その「飢え」はあなたの身体の何処にどんな風に感じられるのだろう?

あなたの脳がその感覚を「飢え」という言葉で処理してそこから意識を切り離すまえに何秒かその身体感覚に浸って見て欲しい。

そして意図的にお腹か喉に少し力を入れてその感覚を再現しようとしてみる。

するともうその感覚は飢えのようなヒリヒリした感覚ではなく、もっと落ち着いたあなたに馴染む感覚に変わっている。

懐かしいその感覚を味わって忘れていた大切なものを取り戻そう。