前に書くと言って書いてなかったのですが、今日、まさかのFsが8番投手の打順を組んだのでTwitterで毒を吐きましたが、真面目に打順の話をします。

最初に断っておきますが、あくまでも長いシーズンを考えた時の最良であって、1試合の結果を云々言う話ではないです。

野球はある意味、確率論なのでそこはご了承ください。

 

 

  そもそも打順とは

その名の通り打つ順番です。

野球の場合、必ず1番から打ち始めて、決められた打順に沿って順番に打席に入ります。

また、初回を除いて、必ず前の回の最後の打者の次の打順の選手がその回の最初に打席に入ります。

当たり前だ!

って言う人がたくさんいそうですが、実はここが一番重要なんですよ!

野球は打席数が決められた競技ではなく、アウトの数とイニング数で終了となる競技です。

つまり、打席数は1番から順番に少なくなり9番が最も少なくなる事になります。

勿論、1試合では最大1打席の差しかありませんが、これが143試合だとどうなると思いますか?

答えは、約140打席違ってきます。

つまり9番で終了する試合はほとんどなく、それなりの打順で終わるって事ですね。

そして、自分がいつも問題視している8番と9番の打席数の違いはどの位になると思いますか?

これは約19打席です。

1番と2番では約10打席なので、下位になると1番打順が違うだけでかなり打席数に違いがでてくる事がわかると思います。

何故かと言うと、普通上位より下位になるほど、打力が落ちたり出塁率が劣る選手が並ぶため、下位になればなるほどアウトになる確率が高くなるからです。

 

 

  ちょっと少年野球を思いだそう

プロだとピンとこないと思うので、少年野球を思い出しましょう。

たぶん、少年野球だとそこそこ野球ができる子が打順上位にいて、8番、9番が打てない子がいたと思います。

それに疑問を持った事はありますか?

ないですよね。

9番に打力の優れている選手をおく少年野球のチームがあったら教えて欲しいです。

少年野球だとイニング数も5回とか7回なので、できるだけ打てる子にたくさん打席を回す事が点をとる機会が増えるはずですから。

これが野球の打順の考え方の基本ですよ。

それではプロ野球に戻ります。

 

 

  9番から1番への繋がりを重視する?

最も打席数の少ない選手から、最も打席数の多い選手への繋がりを考えて、それなりに出塁できて足の速い選手を9番におくのが理想と言う人がたまにいます。

そんな都合の良い事が実際に1年間で何試合あるのでしょうか?

まず、9番にそのような選手をおくと言う事は8番が最も打力の弱い選手となりますよね。(たぶんそうでしょう。7番とかに投手とかもう頭の中を割ってみたくなるレベル)

と言う事は、9番打者が打席に入る時はアウトカウントが1つか2つある場合が最も多い事が予想できます。

8番で終わる場合もありますが、そんなに都合よく8番で終わる事はないですから。

それでアウトカウントがある状態で9番が出塁しても、やれる事は盗塁かエンドラン。2アウトなら盗塁しかないですよ。

これって繋がってるって言えます?

それよりも、最初から9番バッターを1番にして、後は順に打順を下げた方が、絶対に打線の繋がりはあるはずです。

それをしないって事は、9番打者はそれほど出塁率が高くない選手しかおけないって事なんですよ。

そうなると、ほぼ9番から1番に繋がる事は1年を通してみるとないって結論になります。

ただし、DHのあるパ・リーグの場合は事情がちょっと違ってきて、8番と9番はどちらも打力に問題はあるけど、足が速い人が9番って選択肢はあるんですよ。

それは万が一、9番打者が出塁した場合、1番打者の前に足の遅いランナーがいるよりは速い選手がいた方が良いから。

と言うことで結論!

DHがない試合では一番打力の弱い打者を9番において、打席数が一番少なくする事が結果的にアウトを減らす事になるって事。

なので、少しでも9番より打席が多く回る可能性のある8番に打てない投手をおくのは愚策中の愚策って事になります。

 

 

  ではどうやって打順を組む?

これは正解はありません。

ただし、野球は3つアウトになる前にホームベースを踏まないと点にならない競技なので、できるだけアウトになりにくい選手を並べる事が重要です。

アウトになる可能性の高い選手をところどころに入れると、打線が切れてしまい、得点を上げる事が困難になります。

しかし、選手には個性があるので、単に出塁率だけで並べてもダメって事になります。

ここでは一般的な考え方でどのような選手がその打順に適しているかを書いてみます。

 

1番

 出塁率が高い選手。実は近代野球では走力が高くなくても問題ない。けど足の遅い選手は適さない。

 

2番

 バランスがとれ長打力もある選手。近代野球では2番に最強の打者を置くのが理想と言われてます。

理由は1番打者が出塁率の高い選手なので得点するチャンスが多いし、打席数も多く回るから。

 

3番

 昔は3番最強説もあったけど、今では初回、2アウトランナーなしで打席に入る可能性が有、さらに2番に最強打者を置いた場合、ランナーなしで回る可能性もあるため、そこまで重要ではない。

けど、打席数は多く回るため、出塁率、長打力でそのチームで2番目グループに入る選手が適任。

 

4番

 1番打者に近い選手だけど長打力に優れている選手。足は遅くても良い。

1~3番が出塁率の高い選手なので、ランナーがいる場面で打席に入る事が多くなる。ランナーを返すのが仕事となる場面が多いのでチャンスに強い打者が適当。中距離打者でも良い。

 

5番

 3番打者同様、第2グループに位置する選手。4番がアウトになってもランナーが残っている場面が多いので、ランナーを返すのが仕事。3番打者の足のない選手が適任。

 

6番~7番

 相手投手との相性や左右を考え決めて良い打順。

打力、出塁力ともにチームで第3グループに属する選手で良い。

 

8番

 DHがない場合、投手以外で出塁率が一番期待できない選手。

しかし、意外性の一発がある選手がいればその選手が適任。

 

9番

 DHがない場合は投手が適任

DHがある場合は、足が速い選手が適任。うまくはまれば上位に繋がる可能性はある

 

と言う事で、とにかく出塁率の高い選手に1打席でも多く打席が回るように、さらにその選手を並べる事が多くの得点をあげる基本となります。

数年前、山賊打線と言われパ・リーグを制したLは、1~4番、5~8番で打順を組んでいました。

4番と8番に長打力のある選手をおける贅沢な打線でしたね。

おかわり君が打率や出塁率を残せなくなったので、意外性?の一発があるから割り切って8番において、それが成功しました。

まあ、おかわり君の前にも打力の良い選手をおく事ができたから組めた打線ではありますが。

 

と言う事で、8番投手がいかに愚策なのかわかってもらえたでしょうか?

勿論、1試合単位でうまくいった部分だけを切取れば、監督の采配が当たったとなりますが、実際はほとんどが外れていて、たぶん、普通に9番投手にした方が良い結果になってるはずです。

 

長くなりましたが、打順の考え方2022年現在バージョンでした。

 

ついでに書きますが、1番打者出塁、2番打者バントって昔はよく言ってましたけど、そんなケースなんて年に10試合もあれば多い訳で、2番にバントの名人を配置するのがいかに愚かなのかってのもデータで実証されました。

たまにしかないケースのために、出塁率が低くバントがうまい選手に多くの打席を与えるのは意味がないってのが近代野球の常識ですねニコニコ