玖波漁港・沈没船の財宝?サルベージの巻
「おい山下君!ちょっと頼みがあるんじゃが…」
と、昨日電話が鳴った。
「船が沈んどっての!それを引き上げたいんじゃが、ちょっと潜ってロープをかけて来てくれんか??」
「水深は、どれくらいですか??」
「う~~ん、5~6mじゃろう…。」
で、朝いちばんに潜ってきました。
ところが、朝いちばんだったけど、朝飯前にはぜんぜんいかなかった。
左右には漁船を停泊させるための錨やらブイやらのロープが何重にもあり、
そこに、沈没船のキャノピー(たとえば一番上の写真の右の船の緑色のオーニングのようなもの)
の鉄パイプの屋台骨が折れたり外れかけたりしているのが4~5本あり、
それに、よその船のブイや錨のロープが引っ掛かっている。
さらに、
船の漁具のロープや網が浮遊してて、水中は、罠のようにロープだらけだった。
牡蠣船の大型クレーンで船を吊り上げていて、バキッ!!と音とともに、
船の太い金具が折れて舟は再び水中へ…。
そんな中、水中で作業してて、20~30本あるロープのうちの一本でも絡んだら
無事では済まないかもしれない。
↑クレーンで船首左舷と、船尾を吊り上げ、船は水面に出て、
まるで自分で浮んでいるように見える。
ガシャがシャに壊れたキャノピー(パイプと布でできた屋根)は、
完全にもぎ取られ、すっきりした外観で上がってきた。
甲板は、水がまだ抜けていない。
だから、手が届くところからロープを一本づづ切って、整理しながらの作業となった。
ひっかかる可能性のあるロープ軍団を回収してから、いちばん底に沈んでいる船尾のドライブユニットに、クレーンのスリングを通していくけど、その隙間は狭く、しかも腕を肘まで入れなければならない。船がぐらっと揺れて、手でも挟んだら、これまた
無事では済まないから、注意しながらの作業となった。
とはいっても、注意していれば、そんなに危険でたまらないということはなかったけど、
船を縦に吊り上げるとき、金具がはじけ飛んで船が水中に戻った時は、びっくりした。
(引きづりこまれるの可能性のあるのは水中の僕だけだし)
沈没船は2点吊りされたまま、港の中を移動し、漁港のスロープまで運ばれてきました。
僕の役目はこれでおしまいです。
僕も、オリハルのエンジンを乗せ換えるとき、牡蠣屋の親分が、わざわざデカい船を持ってきて、長いクレーンで、陸のエンジンをヨットに降ろしてくれ、古いエンジンを吊り上げて車に
乗せてもらったことがあった。そんな日ごろの恩があるから、きょうは少しは役に立てて良かった。
この後、自分の定置錨とロープなどの点検をしたから、2時間半泳いでたから、
さすがに体が冷えたんで、オリハルコンンに戻って、
89円の、すき焼うどん”を、船室でつくって食べました。
生タマゴを入れると、これが案外イケるんだな。
きょうようやく、注文していたゴツイシャックルが届いたから、
いよいよ明日は、自分の背丈以上ある大錨を、
打ち変えなければいけない。
うまくいきますように…。
きょうも無事、海での作業ができて、感謝!。