我が家の無駄を削ぎ落とすと、真っ先に削ぎ落されるのは僕。どうもorhgです。

 

いきなりですが、カタツムリとナメクジは良く似ていますが、どっちがより進化した生き物かご存じですか?

 

なんと、ナメクジの方なんですって!

 

知ってました?

僕は知りませんでした。

 

ヤツは進化して殻を手に入れたんじゃなくて、進化して殻を手放したのです。

 

おいおい、正気かよ。

進化して丸腰。

 

その漢気、ナメクジまじリスペクト。

 

僕には無理です。

せっかく手に入れたものを手放すなんて・・・

 

しかし、ナメクジに劣等感を感じながら生きていくこともまた無理。

 

よし。

じゃあ、いっちょやってやんよ!

 

というコトで、今回のお話です。

 

 

 

さて、エレキギターを弾くうえで必要と思うアイテムは数限りなくありますが、ボードの中にその全てを詰め込むことは不可能です。

 

スペースの問題。

予算の問題。

音質の問題。

 

そして・・・

 

家族から得られる理解の限界の問題。

 

これらの難題と向きあいつつ、色々と試してきた結果、自分が「欲しいモノ」と「必要なモノ」の区別が出来るようになってきました。

 

いやぁ、大人になったなー。

 

今回は「そんなボードを見てみたい!」という稀有なご要望を頂戴しましたので、それにお応えすべく、私の中での最小エフェクターボードを発表したいと思います。

 

実はまだ紹介していないもの、今後紹介しようと思っているものも含まれますが、先にボードの全体像と、このボードに行き着いた経緯、感想を載せたいと思います。

 

2023年1月26日午後4時のボードがこちらです。↓

 

 

じゃ~ん。

 

どうですか?

シンプルでしょう?

なかなか素敵でしょう?

 

内容は↓

 

①BOSSのTU-3W(チューナー)

  ↓

②ANALOG.MANのSUN FACE(ファズ)

  ↓

③StrymonのEl Capisten V2(ディレイ/テープエコーエミュレータ)

  ↓

④SHIN'S MUSICのBaby Perfect Volume Pedal(ボリュームペダル)

 

です。

 

では何故このような顔ぶれになったのかを説明します。

 

①ストラトをメインで使っているので、ノントレモロのギターに比べてチューニングは気になることが多いです。

毎回クリップチューナーを付けたり外したりするのは面倒くさいし、付けたままだと格好悪い。

どうしてもボードには入れたいと言うことで、音質の良かったBOSSのTU-3Wが先頭に鎮座しています。

 

②次にやっぱり歪み系。

最小限のエフェクター数に抑えようと思うと1つが限界です。

オーバードライブではゲインの最大値が足りない。

ディストーションではゲイン量は十分ですが、オフにした場合クリーンからハイゲインまでの振り幅が大きすぎます。ギターのボリュームを絞ってゲイン量を調節する場合も、ディストーションペダルの場合、クリーンからクランチでは貧相なサウンドになることが多いと感じ却下。

 

そこでファズ。

 

ファズはディストーションとは歪の質感が違いますが、ボリュームコントロールでシームレスにゲインをコントロールできると思っています。

ゲルマニウムトランジスタのファズは比較的耳あたりも良く、クリーンやクランチも艶があります。1台で色々なニーズに対応してくれます。

 

一つの音だけで勝負するなら最高のトーンは大好きなフルトーンの69なのですが、僕の69はゲイン不足。

ANALOG.MANのSUN FACEは少し音の重心が高くなりますが、歪量は十分。「これはコレでアリだな」という感じで、汎用性の高さもあって決定。

 

③ディレイなし、リバーブなしといったプレイは下手っぴの僕には不可能。どちらか1つどころか、どちらも必要です。

ディレイとリバーブの2in1で可能な限りコンパクト。ということでStrymonのEl Capisten V2を導入。

一つ前のモデルを売却したくせに、V2になって再購入。あほくさー。

 

コイツにも言いたいことは色々ありますが、詳細はそのうちレビューしたいと思います。

 

④ファズでクリーンからクランチ、オーバードライブからファズ・・・とギターのボリューム操作でゲイン量を変化させた場合、クリーンの領域では音量が小さくなり、ファズの領域では音量が大きすぎるといった問題が出てきます。

 

クリーンからファズまでの音量を必要に応じて変化させ、ボリュームペダル側のMAXは出来るだけ温存。そして、ここぞっ!というときにはMAXまで踏み込み、ブースター的役割までも担ってもらおうという魂胆でボリュームペダルを導入。

 

VOCUの超ちっちゃいボリュームペダルも検討しましたが、電源を必要としないパッシブにこだわったことと、VOCUは小さすぎて逆に足元での操作がおぼつかないとのレビューを見て、SHIN'S MUSICのBaby Perfect Volume Pedalで決定。

 

ファズの上の小さいケースは、FUNK OJISANの電圧可変装置です。

ファズの降圧に使用し、気持ちの良いサウンドになるように利用しています。

 

はい。

 

以上がこのエフェクターボード完成までの経緯です。

 

できないことも多々ありますが、僕にとって必要なものの多くが賄えています。

もはやメインボードに昇格しており、大型のボードは一旦解体。

 

というわけで、これにてボードの紹介はおしまい…

 

かと思われました。

 

しか~し。

 

今回一番こだわったのは、なんとボードの中身ではなく、ボード本体なのです。

まぁ、小型化が趣旨でしたからね。

あらゆるボードのサイズをネットで調べては同じ大きさに紙を切り抜き、夜な夜なエフェクターを縦に横にと並べてみました。

 

 

このボードが何かパッと見て分かる方は、かなりのマニアですね。

 


 

このボードはパワーサプライでお馴染みのVOODOO LABが展開している「Dingbat」というボードで、シリーズの最小モデル「Tiny(36.8×16.5×不明)」です。

 

これ使ってるのって珍しいでしょう?

 

色んなメーカーの色んなモデルを探しまくって、これ以上にしっくりくるものはありませんでした。

めちゃめちゃ探しました。

 

正直ぴったりのボードなんて探すより自作した方が早いのですが、メーカーが作っている既製品という安心感が重要。

その方が僕自身が納得できるというだけの話です。

 

なぜこのボードを選んだか?理由は以下の通りです。↓

 

みんな大好きペダルトレインの「NANO(35.5×14×3.5)」では横幅がキッチキチで、縦幅もあと少し足りませんでした。

NANOの次に大型である「NANO+(45.7×12.7×3.5)」では横幅が大きすぎるし、その割に縦はNANOよりも小さくなり、ボリュームペダルが縦方向に大幅にはみ出します。

ボードの外に付ければ良いという意見もありますが、僕はコンパクトにギュッとボード内に収めたかったのです。

 

NANOシリーズの次に大型なのが「Metro」シリーズですが、シリーズ最小の「Metro16」ではボリュームペダルはきっちり入るものの、そのほかのスペースは空き過ぎだと感じます。

小型化がコンセプトの割には中途半端に大きいと感じましたし、何より僕の美的センスが許しませんでした。

とは言え、今のボードをもしも大きくする時はMetro16を選び、このサイズ内に収めるという縛りを設けるだろうと思います。今回のコンセプトに合わなかっただけで、ボード自体は良いです。

 

Tinyでもボリュームペダルの縦幅は約19センチなので少しオーバーしますが、ボードに設置したままケースにも入りますし、個人的には不細工さも感じません。

また、構想時点では決定していませんでしたが電源も小型軽量を検討していまして、すべての候補がサイズ的に導入可能であったことも決め手です。

 

以上が「Tiny」に決めた理由です。

 

しかし、お値段はまたしてもお高め。ペダルトレインと僅かしかサイズの違いはないのに、値段は倍以上します。

 

 

ファズを買い、電圧可変装置を買い、ディレイを買い、ボードはもちろんパワーサプライまでも買いました。

マジお金ないって・・・

 

正直なところ、金策も兼ねてエフェクターのいくつかを売却して完成したボードです。

 

 

 

ん・・・

 

売却・・・?

 

そう。

 

僕は進化し、ついに手放すことを覚えたのです。

 

 

 

 

 

全く俺ってやつは、いつもそうさ。

 

 

 

 

遥か向こうに霞んだ背中を夢中で追いかけているうちに、気が付けば追い越しちまってたんだなぁ・・・

 

 

 

あんたのおかげだよ。

 

 

 

ありがとう、ナメクジパイセン。

 

 

 

おしまい。