師匠と弟子

 

治療院は、朝の9時から13時までと午後15時から19時までの営業でした。

 

受付が8時半からなので8時までに入らなければなりません。

 

早出の日は、7時半までに入って始業準備をしました。

 

勤務シフト表とお飾り程度のタイムカードがあるだけで、今で言うブラックな世界でした。

 

昼食が済むと練習でした。

 

「なんの練習?」

 

「鍼の練習なんて早いわ!」

 

「マッサージの練習や!」

 

来る日も来る日もマッサージの練習でした。

 

もう親指が痛くて痛くて、箸も握れない状態が続きました。

 

ある程度、形が出来てきたら実践デビューしました。

 

院長の指示のもとに患者さんをマッサージしました。

 

「免許持ってないのにええのん?」

 

患者さんに嫌な顔されたり、励まされたりして上達していきました。

 

当時は、それが当たり前でした。