「高額療養費」と「医療費控除」の相違点

 健康保険制度には、思わぬ入院等によって、加入者の方々が一定の金額(自己負担限度額)を超える医療費を支払った場合、申請することで、その超えた部分を払い戻しする『高額療養費』という仕組みがある。

 また、税法には、納税者本人や生計を一にする家族のために医療費を支払った場合、申告することで、一定の金額(多くの場合は10万円を超える金額)を所得から差し引く『医療費控除』という仕組みがある。

 この二つの仕組みは、多額の医療費を支払った場合の負担を軽減するために設けられたものだ。

 おもな相違点は下記の表をご参考ください。

制度

申請・申告先

対象となる期間

内容

高額療養費

加入先の医療保険者

(協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険など)

月初~月末の1か月

(同一の暦月内)

医療費の

払い戻し

医療費控除

(所得控除)

税務署

1/112/311年間

(同一年内)

税金の

控除

  

 高額療養費とは】

高額療養費は、加入先の医療保険者(健康保険証を発行している機関)へ申請書を提出する、

協会けんぽ加入者の方は、協会けんぽ都道府県支部へ。

月初から月末までの1か月で、一定の金額(自己負担限度額)以上の医療費を支払った場合に、自己負担限度額を超えた金額が健康保険から払い戻しされるものです。ただし、高額療養費の対象となるのは、保険適用となる医療費のみです。保険が適用されない部分の医療費や食事療養費の自己負担額、差額ベッド代等の自費部分は対象とはならない。
 
   

また、事前に「限度額適用認定証」を病院に提示すると、保険適用となる医療費に関して、お支払い

いただく金額が自己負担限度額までとなる。


<注意事項>

 自己負担限度額は被保険者の年齢や収入、直近1年間に高額療養費の支給を受けた回数等によって、異なる。

 

 【医療費控除とは】

 医療費控除は、確定申告の際に税務署へ申告書を提出するもの。 納税者がその年の11日から1231日までの1年間で一定金額以上の医療費を支払った場合に申告すると、所得税等が軽減される。医療費控除の対象となるのは、多くの場合、支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の方は、総所得金額等の5%)を超えた場合である。医療費控除には、保険適用外の医療費等も含まれますが、上記の高額療養費として支給を受けた金額は除かれる。また、高額療養費以外にも給付を受けていれば、医療費から除かれる場合がある。


【医療費控除額の計算方法】

注:医療費控除により軽減される税額は、その方に適用される税率により異なる。


e-Taxでの確定申告について】

医療費控除のために確定申告書を作成し提出する際、必ずe-Taxで行わなければならないわけではありません。しかし、e-Taxで確定申告することで次のような大きなメリットがある。

  1. 自宅でスマホなどから確定申告ができる
  2. 医療費控除の明細書を自動作成してくれる
  3. 還付金の振り込みが早くなる
  4.  


自宅でスマホなどから確定申告ができる

先ほども紹介しましたが、e-Taxを使えば自宅で確定申告書を税務署に送信できる。

e-Taxを使用しない場合、国税庁のホームページから各種様式をダウンロードして確定申告書を作成。その後、郵送や持参などにより税務署へ提出しなければならず、大変手間がかかる。

 

医療費控除の明細書を自動作成してくれる

確定申告書等作成コーナーで確定申告書を作成すれば、医療費控除を受けるために必要な明細書を自動作成してくれる。もし確定申告書の内容にミスがあり、本来納めるべき所得税を納めなかった場合は過少申告加算税などが発生してしまう。そのため、少しでもそのようなミスを防ぐためにも確定申告書等作成コーナーの利用がおすすめだ。

 

還付金の振り込みが早くなる

納めすぎた所得税があるなら、医療費控除を受けるために確定申告をすれば還付金が振り込まれる。例えば、サラリーマンが医療費控除を受けられる場合、源泉徴収により医療費控除を考慮して所得税を納めてはいないため、確定申告により還付を受けられる可能性がある。


【余談】

私は、以前ふるさと納税の購入金額を誤った時に、e-Taxを作成したが、これは便利だとおもった。入力間違いした時は、e-Taxのお知らせのところへ、連絡がくるようになっており、その時は無事訂正をし、指定口座に振り込んでもらえました。以前は医療費負担はなかったため、医療費控除を提出しなかったが、今年は、e-Taxで確定申告書しようと思う。



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