シネ置換(cine-substitution)、テレ置換(tele-substitution) | 有機化学勉強会

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置換反応において、脱離基が結合していた炭素の隣で置換が起こるようなパターンをcine-substitution(シネ置換)という。

例えば下のベンザイン経由の芳香族置換反応で、脱離基Xのオルト位にアミノ基が導入されるような置換がcine-substitutionである。その生成物をシネ生成物と呼ぶ。脱離基のあった炭素にアミノ基が入ったものはイプソ(ipso)生成物である。

 

 

cine-substitutionには以下のような例もある。

Stork, G.; Isaacs, R. C. A. J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 7399.

 
また、脱離基のあった位置から2原子以上離れた位置で置換が起こるパターンをtele-substitution(テレ置換)という。一例を下に示す。