ウッドショックで、新潟県の林業を復活させる?? 相模の提案 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

越後森林館にて、ウッドショックの状況下における、
新潟県産材の川上・川中・川下の関係者の
意見交換会が行われました。

川上とは伐採する側。林業関係者。
川中とは加工する側。製材・プレカット。
川下は、それを使う側。地域工務店・設計事務所になります。

 



業界はウッドショックで大変なことになってますが、
この会合に来る川下の人間は、

住学の県産材利用検討グループの人が多く集まった。

国産材利用、県産材利用に積極的なところが多く、
悲壮感がゼロ。 

むしろこれを契機に、どのような可能性があるのか、
新潟県の川上・川中の状況はどうなっているのか、
情報を得ようという動機で参加しているようです。

知りえたことを箇条書きで説明します。

① 新潟県は林業が盛んではない。

  森林面積が日本で6番目に多いけれど、
  人工林面積は22番目。

 その差は 林業が盛んでないことを意味している。


新潟は米どころであり、林業よりも稲作農業が重要視されていたことも影響するとの意見も聞かれました。 もし人工林が多いようであれば、今でも管理伐採をしなければならないが、
人手不足でできなくて、荒れた山が広がっていたことだろうとの意見もある。

② 広葉樹の資源が豊富。
人工林が少ない代わりに、広葉樹林が他県より豊富である。
熱帯雨林材の伐採が制限され、ラワンべニアが今後消滅が懸念される。
代替品として、新潟産のブナ(スノービーチ)は、化粧合板として、競争力がある。
合板が開発途中であるが、他県への販売可能な製品として、育って欲しく期待しています。

③ 構造材の杉は、地域間競争が激しい。

新潟は、大規模な製材会社が数社しか存在してなくて、零細の製材所が多いのが特徴。

つまり、秋田・岐阜・和歌山・奈良などの他の産地に負けている。
県が主体となり、村上と加茂の2拠点に、共同の製材拠点を整備したがが、

10年程度で破綻した失敗事例があり、そこからの閉塞感で手が打てていない。

④ 川中の製材会社増産中。

引き合いが強まって、残業をして増産で対応している。
平常時よりも130%の生産水準で、要求に応えようとしている。

ありがたいが、働き方改革の流れもあり、限界も近い。

 


ここからは、私の意見・提言になります。

⑤ 選択と集中

県林業は、「越後杉ブランド」を育成しようとした。
集団輸送船方式で、零細製材所を含めて行ったが、品質検査の不備が判明し、ブランドへの不信感を引き起こした。
杉構造材は、産地間競争に耐えられる設備投資が必要で、製材所の「選択と集中」が必要だと考える。 新潟県内で複数社だけにしぼり、投資を集中させる。(川中)

⑥ 川上・川中・川下での生産利用の組合をつくる

川下の企業で組合を作り、年間発注棟数を半期毎に申告する。
 その数量に基づいて、計画伐採を川上で行う。
 川中の製材所・プレカット工場が、生産情報の中核となり司令塔となる。
構造材だけでなく、羽柄材、も含めた、調達計画に基づいた伐採・木取りのサプライチェーンを整備し、組織構築の交通整理は県の行政がサポートする。

⑦ 県のサポート

長期優良住宅の補助金目的で、地域ブランドのグループが多くつくられた。
 その再活性化と再構築をおこなう。

グループの内部に、中核となる製材・プレカット業者が加わる。 

工場の最適な生産能力と、川下の木材需要をマッチングする。
県産材利用の補助金は、地域ブランドとして、

川上とチェーンができているところだけに、組合へ交付する。

⑧ 組合の発展的展開と製品開発
川下グループの合計が、住宅ベースで500棟水準となると、資材調達のスケールメリットが生じる。

大型パネル工場の共同利用はもちろん。

マツと杉のハイブリッド梁。

防腐処理をしたハイブリッド土台の開発製造も視野に入れる。

⑨ 木材のカスケード利用・ 断熱施工の共有化

製材での、副産物でウッドファイバー断熱材を製作し、グループ内に断熱の施工業者も加わり、木材資源の有効活用を図る。 (天井吹込み充填に共同で利用する)

また、ブリケット型、薪燃料の製造も行い販売する。 

⑩ 組合での共有サービスで生産性向上

構造計算事務所サービスを提供。プロモーション活動も共同で行う。

組合で 屋根天井・矩計、仕様の標準化を行い、部材の共通利用を容易とするように協調する。

林業体験、住宅建築の見学ツアーなど、総合学習を、県内の学校へ提供する。


⑪ 地域の経済循環

川上・川中の事業計画から逆算で、半期単位での木材単価を提示し、それを川下が受け入れる代わりに、の木材への価格変動と供給不安の影響を受けない安心を手に入れる。
そして、域内の経済循環で地域の衰退を抑えることへとつながる。

 

⑫ はたして現実的か?

住学が発展的に組合へとなればいいなと思うが、志は高いが、事業規模の零細が多く、

全部足しても500棟へは届かない。。。  他の県産材利用に積極的な事業者全て巻き込み

オール新潟連合を作るくらいでないと、この計画は実現できない。

元々盛んでなかった川上川中からの逆算で、木材価格の見積もりと先行きがどうなのか、

私は詳しくないので、ここから先は、関係者にご意見を聞きたいところです。