この費用は施主負担になるんですか? | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

質問箱で幅広く 匿名で質問を募ってます。

その中でこのような質問がありました。

 



「見積もりの中の現場費用の中に
瑕疵保障・労災保険・工事火災保険
の項目があり、調べてみました。

それぞれ内容は理解できましたが
これらは私たち(施主)が払う
費用であるのか疑問に思い、
担当者に問い合わせしたところ、

弊社では施主負担が普通です
と返答されました。

そこで質問なのですが
オーガニックスタジオさんでは
上記の費用は施主負担になっているんですか?
そもそも建築界の常識なんでしょうか?」



それに対する答えは次の通りです。

「住宅工事を あなたが自分で
できないから、相手にそれを託す。
それを請負工事契約といいます。

住宅建築に必要な事柄で、
発生する費用は全て
施主が負担するのは、
100%当然のことです。

保証・保険は 義務で法律で
やらねばならぬことだからです。

当方は細かな明細は見せずに、
現場管理費でxx%で対応してますが、
逆にいえば、明細を提示しているなら
かなり良心的な業者ともいえるでしょう。」


このようにアンサーしました。

似たような項目で、
狭小地で、工事現場に車が
駐車できない現場だとします。
そこで 近隣駐車場を借りる
必要があるとします。

工事をするのに必要なお金だから。
もちろん施主負担でしょう。

施主感覚だと、目に見えて
残るものだと納得ですが、
見えないものへの負担に
違和感を感じるのでしょうか?

システムキッチンのグレードアップには
お金を惜しまないけど、
設計料は払いたくない。
という方は昔は結構いらっしゃった。

では、
例えばここでの質問
瑕疵担保保険を例にとって
本質的なところを考えてみましょう。

お客さんが建物の引き渡しを受けて
その後に重大な欠陥住宅だと
判明した場合どうなるのか?

雨漏りや不等沈下などは
数百万単位で修理費がかかる
こともある。

さらに仮にその建設業者が
倒産していたら、お客様が
路頭に迷ってしまう。

他の業者を見つけて
欠陥を直してもらう必要性がある。

それだと悲劇だから、
瑕疵で発生する費用を
保険で賄うことができる制度を
国が作ったのです。

任意ではなくて義務の保険加入なのです。

では何のためかと言えば
消費者保護の観点での制度。

すなわちお客様が守られる
ための制度だということ。
自分の身を守る保険料が、なぜ
工事業者負担になるのでしょうか?

火災保険料に関しても
もし、あなたが建物を工事しようと
していたら無保険で工事をしますか?

無保険で燃えたら恐ろしくて
絶対保険に入りますよね?

注文住宅の哲学

質問者が「内容は分かっているけれど」
と言いますが、ならば工事会社が
負担すべきだとの考え方は起こらないはず。

この質問者は、業者と客との間に、
利害関係が強く感じているように思います。

しかし注文住宅の工事は
自分の夢を相手に託す行為であって、
一蓮托生」の関係なのです。
必要なのは「共存の哲学」です。
相手を生かすことで、自分も生きる。

損得だけの利害関係であれば、
自分が得をすればいいだけで、
それは「現代の商行為」の基本哲学
自己本位」になります。

住宅業界においては、
建売分譲・マンション販売の世界で
通用する哲学なのです。

この質問者がひょっとして
このメルマガも読んでらっしゃるかもしれませんが、

設計者を入れて注文住宅を
手に入れようとしているなら
本質的なレベルで、今一度考えられた方が良いでしょう。

まともな哲学を持った住宅会社だったら、

(全国の私の工務店の仲間たちならば)
こういった自己本位なセリフが
複数回でてくるお客さんには、
この人やばいなと、警戒されることでしょう。

程度にもよりますが、
あまりに自己本位が勝ると
契約を拒否される可能性が高いと思います。

大手ハウスメーカーは
こういった方は慣れっこなんで
ウェルカムです。

その証拠に 契約前の
何が本当か分からない
大型値引きの駆け引きで
契約するでしょう?

おたがいに 自己本位の商行為だからです。