三澤文子氏率いるMOKスクール大阪とは | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

 

MOKスクール大阪とは、建築家の三澤文子がTOPを務める
木造住宅の建築にかかわるすべての人を対象とした、
実務者向けのスクールであって、講義を通じて、
「国産材で建てるまっとうな木造住宅」の普及啓もう活動を行っている。

文子さんのご主人であった三澤康彦さんは、
新潟にて2件の家づくりをしておりますが、
その大工さんと建具屋さんは、オガスタと縁のあったところで
そちらを通じて、以前から二人の事務所であるMS設計の
仕事ぶりは注目させていただいてました。

大阪を起点として木造住宅の良さを引き出す、
素晴らしい住宅設計を数多く行い、
特に日本の林業にまで踏み込んで、木にこだわり、
理念の通り「まっとうな家づくり」を
日本に広めようとしていた事は敬服します。

設計力は、文子さんの方が評価が高く、
日本の伝統建築に学んだ、凛とした造形や、
男性顔負けな、大迫力な架構美を設計しています。

事例として有名なのは乃木坂46 『シンクロニシティ』のPVの撮影された工場は、
文子氏の設計です。 構造が、そしてもたらされる光が神々しく美しすぎる。
リンクを貼っておきます。

 

https://youtu.be/f0wbnQw89J0



三沢康彦様は、近年お亡くなりになりましたが、
文子様はいたってエネルギッシュで、バリバリです。
その人間的魅力と実績で、
業界のビックネームの方々と幅広く人脈を持っている。

MOKスクールの講師陣の方々は、超ビックな方ばかり。
建築家は、中村好文・泉幸甫氏。 造園は荻野寿也氏。 構造は山辺豊彦氏など、
超一流の配置。 それが初年度7万円、次年度18000円で、
年7回の開校がある。 超激安の学費。
みんな 三澤氏の志に共鳴し、手弁当だからできること。

 



スクールの5回目になる9月21日は、私と飯塚さんのコンビと、
それと岩村和夫氏と 南雄三さんの3コマです。

岩村アトリエの岩村先生は、
存じ上げてなかったのですが、「環境共生住宅」の名づけの親。

建築家協会を代表して、国や国連などの会議に数多く出席され、
持続可能な社会を、建築の観点から提言して続けていた。
環境建築の日本における先駆者とも言える方です。

「環境共生住宅」は、30年経過しようとしていて、
現在ではSDGSへと流れていく。
 



「エコロジー」とは「生態系」の訳であり、自然環境を保全することです。

だからエコハウスとは、
単なる住宅そのものだけでなく、
その周辺も含めた環境の持続性である。

生態学的なつながりを正しくすること。が求められています。



 

すなわち、
家ばかりが良くてもダメで、
その周辺環境・町内会もよくならなければならないし、
住宅の材料の供給源である、山も良くなければならない。

そして最後には地球も良くなければならない。
すべての食物連鎖のような、
生体的なつながりのことがエコであって、

温熱環境を整えるという事は
その重要な手段であるが、1つの手段でしかないと言える。
より広い意義を内包しているのが、
本来のエコハウスであることを確認しました。

こうしてみると、本当のエコハウスの観点で見ると、
断熱・エネルギー・エミッション(資源の循環)・まちづくりなど、
様々なテーマが備わっていることがわかる。

そのそれぞれの要素を、国家レベルの
大きな視点ではなくて、
住民の生活レベルのミクロの視点まで
落とし込んでいる実務者が、工務店であり、
住宅設計者だと考えられる。

まちづくりに関しては、
国や自治体そしてデベロッパーが、
関わることがどうしても多いが、

行政へ意見を出すなどは、
工務店や市民などが行っても良い範囲である。

断熱はもちろん我々の真骨頂で、最前線である。

 

さらにエネルギーの観点で踏み込むならば、
なぜ、もっとソーラー温水器・発電機は
広まっていかないのかといった、課題も出てくることだし、

ミッションの観点で、暮らしに落とし込めば、
ゴミ削減は基本になってくる。

庭を作り、コンポストを設けて、
勝手口を、その利用動線計画の延長に
なければならないことが見えてくる。

このように国連が2015年にSDGSの観点で、
明確化したから行動目標を立てやすくなった。

よりエコハウスを、人類の共通の目的に沿う形で磨きをかけて、
啓蒙していきたいと思いました。


南雄三氏に至っては、
もちろん何冊もの本を読んでいるし、ユニークなところもあって、
何を話すのか楽しみで大阪まで来た目的でもあった。

御大は、旅をして歩くのが趣味なようで、
自分の持っていたかなり個人的な経験を主体に、
いろいろなテーマで、あれやこれや話が飛んだので、
正直カオスな世界になっていた。

このMOKスクールの本日のテーマは「温熱特集」の日であって、
みんな真面目な実務者が身銭を切って、
忙しい中、時間を割いて駆けつけているのに、
なんで役に立たない話ばっかりするんだと、

皆望んでいるのはそういうものじゃないんじゃないの?
最後に壇上に上げられたときに、
結構 むかっとしていました。

ただこの時、私は大きな勘違いしていて、
「温熱特集」だと思っていたからですが、
実際はこの日は「環境特集」だったのです。

であるならば、いろいろな分野に話が飛び、
人類的の抱えている複雑系のカオスな世界を
創り出すのは高度な講演技術であって、
私の方が浅はかだったと 後で気が付きました。

南先生 済みませんでした。



私たちの発表は、
飯塚豊さんが設計に際して、
どのような思考の手順で行っているか、
著書である「間取りの方程式」リアルバージョンのような、
洗練されたとても良い内容のプレゼンテーション。

私は工務店の実務者がよく抱いてる、温熱に関する疑問に対して、
ズバリ答えを言うスタイルで、かなり実践的な内容。

それと今一番ホットな全館空調を、
建築的に行うための急所について、
互いに45分ずつプレゼンテーションいたしました。

 



親睦会では45分ではなく90分で聞きたい内容だったと、
何人かに言われ、 かなり喜ばれている印象を受けました。

 

MOKスクールは凄い! 
大阪の学びへの情熱。

木の家への愛情は、日本一だと思いました。