日本の街並みを良くする4つのこと | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

未成熟なカオスに支配された日本の街並み。

特に新興住宅地はひどいことになっている。

 

景観は、暮らす人の地域愛へとつながり、自尊心を産み、

目を楽しませる。  

お金に表せない 共益的財産です。

 

お金で表せることなんて、価値がたかが知れている。

利他的な、共益的な価値のほうが上である。

 

以前、「森山さんと考える街並み」を記事にしましたが、

その続編です。

 


 

様々な事例を整理すると
景観を悪くしているのは要素は、4つに分類できました。



ここで提言したいことがあります。

自治体は 新規開発行為の許可申請に対して、
監督権限があると思いますが、
景観向上のために、分譲土地販売時の際に、
「景観協定」を設けることを義務付けをしてほしい。

加えて野放図な景観を損なうことにつながる土地利用にも

一定の制限を加えるべきです。


① 屋根形状の統一

好き放題の屋根形状だと スカイラインが乱れて、街並みが形成されない。
古くからは、基本は切妻であったところ、
ハウスメーカーが出てきて寄棟が主流になった。
そこに、ZEHが出てきて特に片流れが増え、
近ごろは軒ゼロも増えてきた。

屋根形状のバラバラが一番カオスである。
北海道札幌市郊外は、無落雪のフラットルーフが主流になってしまう。
しかし、軒ゼロで統一されるから屋根はそろう。


(屋根のデザインコードと雁木で統一された、塩沢の街並み)


新規分譲地でも、屋根形状のルールを決めると街並みはそろう。
例えば、切妻の平入(ひらいり)とする。
網川原モデルの3棟はそうした結果である。

 

 



② アルミのカーポートの制限


道路方向から一番先に目につくのがアルミのカーポート。
あるなしで全く印象が変わります。
新潟県は降雪地帯なので、車の雪下ろしを嫌うことも手伝って
新規の分譲地は、カーポート団地である。

(右側の新しい分譲地の白いのがカーポート、明らかの増加傾向だ)


里山住宅祭でも一定のルールを決めた。
作るならば木造を原則とする。
アルミでやるならば、景観配慮型で木装を条件としています。
兵庫でできたことならば新潟でもできるはず。

 


(木装の事例) 

③ 区画の一定の広さの確保


新潟市の分譲地は40坪くらいになってきた。
屋混みになると、緑化の余白もなくなり景観が悪くなる。
長岡市は雪の退避スペースの関係が大きいのでしょうが、
50坪以上でないと、開発を認めない。
新潟市もそうすべきです。


同時に、例えば60坪の土地を30坪の2つに
分割するような行為も禁止すべき。

東京都では規制が入ったという話を聞きましたが、
建売分譲会社に、将来のスラム街を作らせることを
野放しにさせない。 
県会議員の重川材木店の会長さん。
ぜひ 議員立法で実現してほしい、これ重要です。

④ 植栽のファサード義務 


これは国の計画分譲地である「赤塚ニュータウン」方式を、
造成主に義務化されればよい。
道路面に生垣をする場合は、樹種を限定し、
苗木をプレゼントするという方法です。 

 


売価設定に植栽も見込んだ価格とし、
造園業者と提携すればいいだけです。

財政的な出動無しで可能な、費用対効果が一番良い政策です。

新潟市最後の大造成といわれた、

女池上山の区画整理が終わり、
もうすでに詰んでしまったかもしれませんが、
失われた住宅街の良好な景観を、また100年かけて
取り戻すためには、我々の「秩序」意識と
ルールが必要に思います。