沖縄という風土に最適な家はどうあるべきか? 琉球住樂レポ② | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

沸騰する沖縄の住宅事情


 

沖縄の戸建て住宅は、従来は中村家住宅のような伝統的なつくりであったが、

その強い台風とシロアリに対応するために
戦後の1970代になると、は鉄筋コンクリート造りで、
建てるのが標準的に行われていた。 

こんな感じのフラットルーフに、

断水に備えてステンレス製の貯水タンクを載せているのが多い。

 


(上写真: 弁当持参 tseki.exblog.jp より転載)

 


RCは建築費が高いので、木造住宅にすることでローコストになり、
今まで手が出せないと思っていた戸建て住宅が

手に入ると知れると人気が沸騰した。

新潟からもイシカワがいち早く進出し、
近頃、夢ハウスもモデルハウスを建てている。
九州からのパワービルダーや、
アイダ設計などの分譲型の沖縄に進出して、
特にローコスト系の競争が激化している。
車中のラジオでもCMが非常に多い。



大手ハウスメーカーも各社進出したが、
コスト面や厳しい自然風土に堪え兼ねて、
例えばあるメーカーは数年前に撤退してしまった。


本土の仕様そのままであったのか、
塩害により屋根や雨どいが溶けるように朽ちてしまった住宅を目撃した。

巨大資本の面目で、なんとか面倒を見てくれることになればいいが、
撤退された後に、誰も面倒を見ることのできない建物だけが残されてしまうことは、
オーナーや地域全体にとっても非常にマイナスであると思う。

安易な県外からの分譲会社が、
こうした二の轍を踏まないようにしていただきたいものである。

 

沖縄という観光地に どやどややってきて、空き缶ポイポイ

山や海に捨てて帰っていく観光客のように、

街と文化を汚す行為となるからである。

 



 

 

地域工務店は地域的でなければ生き残れない

 

やはり地域に根ざし、50年100年と維持管理の可能な住宅であるべきだ。
地域に合った家々が、街を形成してもらわないことには地域が良くならない。

沖縄においては琉球住樂のように、
地域性を色濃く反映した住宅を手がける会社は皆無なようで、
地元新聞からの特集取材も多く、信用が高いと感じる。
知的水準の高いオーナーの、高額物件を中心に行列ができている。

 



 

 

できれば、こうした家づくりを共感した他のビルダーも
後を追ってもらうことで裾野が広がり、
地域が良くなると伊良皆氏は考えている。



そのために、資材販売会社を新たに設立し、
地域のビルダーに健全な建材を供給しようと構想を練っていらっしゃるようです。

 

(琉球住樂は、畜舎だったところを用途変更し、焼杉や枠材加工、

家具の製作を行える工場を持っている。 

ないものは自分で作る。地産地消の精神がすごい)

 

 

華やかに 図太く 

本土の住宅においては、我々のような、
木造在来の良さを生かしたスタンダードハウスが全国に広まっているが、
我々の趣向する「洗練」という名の軽々しさは、
沖縄の人から見れば、ひ弱で頼りないデザインに思えてしまうのかもしれない。

 



名護市庁舎のデザインに見て取れるように、
沖縄的な地域性では、派手さ・華やかさは南国らしさであり、

中村家住宅からも見てとれるような、雨端の曲がりくねった独立柱は
自然そのもののおおらかさで  曲がってたって 「なんくるないさー」である。

 





さらにこの世界観に、バリエーションを広げる表現として何か考えられないか?
外壁にベンガラ色のバージョンがあっても良いと思った。

 

 



ほとんどが平屋の物件であるから、外壁の再塗装も足場なしで可能だし、
白い樹脂窓との源平のコンビネーションもよく、
沖縄的な華やかさが醸し出されると思った。

全く新潟と沖縄は地域性が異なるが、
その特有の地域にふさわしいものは何かを強く考えるトレーニングとして
沖縄は最高の学校だ。