ハウスメーカーの住宅営業マンが必至なわけ | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ


前回の「大東建託の内幕」レビューの関連記事です

 


私も40歳まではハウスメーカーで住宅営業していたので、住宅業界における残酷な、

一見世間の常識を外れた「内幕」もよく知っております。

 

住宅営業マンの雇用条件が過酷

大東建託では、2年間契約が取れなければ自動的にクビになるという条件だそうですが、

ハウスメーカーの営業からしてみれば当たり前。むしろ生ぬるいといえるかもしれません。
その月の受注がゼロだったことを「タコ」と呼び、3ヶ月連続タコだった営業は、

自己啓発系のハードな営業研修に強制収容なんてのはよくある話です。
ある会社では、6ヶ月受注がなかったら自動的に解雇というところもあります。

 



住宅営業マンは事実上の個人営業の事業主の扱いがされていて、

給料がかなり成果報酬に近くなっているところもあります。

だからまさに弱肉強食を絵にかいたような世界でした。


私が実際に見た、源泉徴収票の最高年収は、3500万円!で、

あるプレハブメーカーの支店長のそれです。

 

その方は支店長もしながらアパート営業してたので、

超高額報酬を稼いでおりました。(いわゆるプレマネ)

しかし、それはほんの一部の話であります。

年間の受注金額が1億5000万円を切ると、

月収が自動的に15万円まで切り下げられる賃金体系を採用していた会社も知ってます。

去年までは優秀営業マンで年収1500万円稼いでいたのが、いきなり翌年に激減する。
社会保障料などは、去年の年収ベースで決まるために、

天引きされると手取りがマイナスになる人もいました。

こうなったら事実上、会社を去るしかありません。

一説には、住宅営業マンの平均勤続年数は2年と言われ、

使い捨てされていた時代がありました。



そんな営業マンも家に帰れば、受験生のパパであったりするわけです。

ふらっと総合住宅展示場に行って、受付をしたその日から、しつこい営業攻勢を受けたなどと聞いたこともあるかもしれませんが、待機している営業マンの立場から見たら必至なので、そうなってしまうのも納得するのではないでしょうか? 
 

 

 

住宅営業マンは信用が低い?

住宅営業マンは、年収の変動が大きいので個人事業主扱いなのです。
一般のサラリーマンは、住宅ローン申し込むと2年分の源泉徴収を見せろと

銀行に言われますが、住宅営業マンの場合は3年分です。

私も住宅ローンを組んだ際は 3年分見せろと言われました。
さらに、運悪く転職を挟んでいたので、父親に連帯保証人になることが条件で

やっと融資がおりました。普通の勤め人はここまで信用がないということはまれでしょう。

あくまで自営業主扱いだから、お客様の物件の修理費用がこじれてもらえなかった際に、

営業マンである私が負担することになったこともあります。

 


あるハウスメーカーの場合は、営業会議が夜の11時から開かれると聞いたことがあります。

夜は営業マンが営業活動して外に出ているのが当たり前であって、

帰ってきてから状況を支店長に報告をするからです。

 

よくもまぁ 私も40歳までこうした血も涙もない業種で生き延びてきたものだと思い返します。

 

最後に:

かつては「夜討ち朝駆け」が当たり前とされていた住宅業界。
働き方改革やコンプライアンス重視のこの時代では、

もはや昔ばなしなのだろうなと思いきや、例の本の内容からして、

中にはいまだに残酷な世界が繰り広げられていると驚くことしきりでした。

 

この一連の記事は、けっこうネガティブな情報だから、私や会社にとって何もいいことのない記事です。わたしもかつて住宅営業マンをしていた経緯があるから、彼らの地位向上と、幸ある人生のためを願って記事にしました。ブラックがひどいようなら過労とストレスで死ぬ前に脱出したほうがいいですよ。