新住協 の全国総会2018に出席しました。
2018年の会場は大阪梅田のスカイタワーです。
今までの新住協のメンバーは、断熱の技術を研究するのが好きな、田舎の工務店のお父さんで、
悪く言えば、センスのあまりない住宅だけど暖かいのを細々と建てている。
そんなイメージでしたが、去年あたりから様子が違う。
横浜の北村建築工房の北村さんや、ベガハウスの大迫さんといった顔が
見えたのはみんな驚いていた。
(この二人を誘ったのは私ですがwww)
全国でも設計のうまい有名工務店が加盟して、メンバーの幅が広がった。
今までは「夏旨」の住宅で、建築家と組むことで設計力を磨いてきた
OMソーラーの加盟工務店が典型的。
鎌田先生の著書でもあるように、OMソーラーとは
「開いた家・閉じた家」の論争もあったわけで、ある意味、新住協とは別の極で存在していた。
しかし、吉村DNAをくみ取った、堀部安嗣さんが高性能で猛勉強しだして、
新住協関西のダイシンビルドと組み、バンガードハウスを建てたあたりが転換期である。
人気住宅作家のもう一方の双璧、伊礼さんも負けずに温熱に凝りだして、、、、、
各流派のエコハウスの主義主張は、
根拠のある性能のある家を、いかに合理的に作れるかという、
大命題の下で統合され、新住協はその実践の蓄積で、大黒柱としてそびえ立っている。
いろいろなテーマが話されたで雑多に箇条書きで説明します。
・「Ua値なんてくそくらえ。」 暖房エネルギーを表せないのは意味がない。
(まったく私も共感。 Ua値至上主義に 全然意味が分からない)
・熱交換換気扇は、吸い込みの口とフィルターの掃除が命になる。
山形のある工務店の調査では、お客様宅100件調べたところ99%が、
清掃を怠り目詰まりし、換気不良となって問題が生じていた。
( 先日ローヤル電機の方からもお聞きした内容と重なるところがあります。
換気とは、メンテナンスの啓もうと、詰まる部分の清掃しやすさが急所になります。)
・床断熱は、室温より床温度は下がるが、HGW105mmの断熱で、
室温20℃で18.9℃で維持できる。 床下に付加断熱をする場合はさらに表面温度は上がるが、
懐がその分だけ必要となるために基礎高を上げるなりする必要が出る。
・床断熱の場合、玄関土間の下地をスラブにしないで、木の下地にする方法が有効だ。
・全国で今年の猛暑のおかげで全館冷房システムの必要性が大きくクローズアップされた。
(夏旨系・温暖エリアの工務店のメンバーが増えたのは、夏の快適性向上への期待か?)
・100ミリの付加断熱をすることが寒冷地では標準化になっているが、
100㎜の付加断熱を50ミリ50ミリで2度にわけることで、
くぎ打ち機が使えるようになるために施工性が良くなる。北海道のSUDOさんはこの方式だ。
などなど、最新の細かな技術の改良点に言及された。
全館暖房から全館冷房へ
その後、温暖化エリアの工務店で、全館冷房に対する取り込みの事例について、
パネルディスカッションが開かれた。
その中で横浜のエコハウスさんの調査が有益だった。
床下ガラリの大きさで、送風量と送風速度がどう変わるかまとめられた。
床下エアコンの送風で、圧力が加わると床下空間が正圧になる。
ために、同じだけの開口面積があれば、距離が離れていても送風量に大きな差が出ないことがわかってきた。
ガラリの面積を絞るとどの程度送風量が低減するか?
ただし、送風速度が加速されてスポット気流になりより遠くに届く。
また、引き戸を開けた場合3センチ程度あけてあれば十分なリターンが確保できる。
ガラリ設置と気流の因果関係がはっきりしたことで、今後のガラリの計画に役立つことだろう。
講演途中の休憩時間に、鎌田先生がかねてからいけると主張していた。
上下階間にエアコンで送風する方式が、(鎌田方式)が成功したと、計測データをお渡しした。
大変喜んでくださって、たがいに握手を交わしました。
総会の締めのスピーチで、長年みんなに階間エアコンをやってくれと言っていたけど、
誰も信じず、やってくれなかったが、オガスタが成功したと発表した。
設計者の阿部君は会場にはいなかったが、2018年のMVPで、
トロフィーもらってもいいほどの雰囲気であった。
(超辛口の鎌田先生は、ほめることはめったにない! 笑)
満を持して 世に発布した成果であるが、
長くなったので 次回持ち越します。