ハノイ建築巡り  | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

ハノイ建築巡り 

ベトナムハノイ旅行は、移動を除くと実質2日しかない弾丸ツアーです。
その1日はベトナムの建築巡りを主体で工程を組むことにしました。
まずは、ベトナムで最も有名な建築家のひとりである、Vo Trong Nghia 氏の作品をチョイス。「Vo Trong Nghia」で画像検索してみると、魅力的な建築がたくさんヒットします。
氏は、名古屋工業大学を卒業後、東京大学大学院では内藤廣に師事していて、日本の建築の影響受けているのが分かります。

ハノイ郊外にある「Flamingo Dai Lai Resort」というリゾート施設内にある、「bamboo wing」という竹でできた建築を見ることになった。
ベトナムらしく燻煙で防腐処理をした竹を使い見事であった。
カンファレンスホールは石を積み上げての手法で、隈研吾の影響を感じられました。







このリゾートは投資を募って建築が進められていて、年の想定利回りが15%だと謳っている。半分ほどのヴィラは完成して営業しているが、残り半分は建築中でせわしない。
躯体へのコンクリート打設から、クリーニングまでの工程の現場が観察できて、それはそれで我々にはたいへん面白く観察できた。






日本では考えられない現場の監理のおおらかさ。
躯体のRCができて、仕上がっていないのにエアコンがつけられていたり、
内装が終わっていないのに植栽は終わっていたり、
クリーニングは10人ぐらいで束になって作業していたりで、おおらかです。




世界中の建築はこんな程度の出来栄えが普通なのではないか?
ここも出来上がって緑が茂れば粗もわからなくなるのだろう。 
日本人の過剰品質への要求のほうが、世界水準でいえば異常なのかもしれない。

ヨーロッパ出身のお客様も、(我々の仕事について)
「こんなに丁寧に作り、工期もちゃんとできるとは思いもしなかった。」との感想を寄せている。母国ではありえないそうだ。


ハノイに行ったなら、「ベトナム民族学博物館」へは絶対に行った方がいい。
ベトナムは少数民族が数多く暮らし、各民族により住宅の様式は大きく異なるが、
「建物園」で10棟近い建築群を一挙に見ることができる。
土地壁の家。 木の板でできた家。 竹だけでできた家。驚くほどのっぽの家。
ながぁ~い家。すべてに特徴があって面白い。









木の板でできた家は徹底している。 巨木を割いて、デカい一枚板を大量に作り、屋根瓦の代わりに特大の木端葺きになり、ドアも外壁もすべて一枚モノの板で構成されている。




竹の家の屋根は、半分に割った竹を組んでいるために雨が室内に入ってこない。
日本の本瓦の理屈と同じで、きわめて合理的にできている。
いずれも入母屋造りで、母屋の掛け方や土庇など、驚くほど日本建築の要素と共通項が多い。 日本家屋にある南方住宅の系譜を、リアルに見ることができる。
こういう根源的な住居は、西方先生が大好物だから、お連れしたならば一日中はしゃいでいそうだなと思いました。



建築だけでなく、集められた民俗学的資料も、プリミティブアートとして目を楽しませてくれる。 この像に至っては「進撃の巨人」にでてきそうな不気味でかわいい。

欲しいなぁと思えましたよ。