岩前教授のセミナーに行ってきた。
前回からの続きです。
リクシルさん主催のセミナーに、近畿大学野岩前教授の講演があるというので行ってきた。
私は古くはトステム系の人財だから、リクシルさんにも仲のいい方がおりまして、
YKKセミナー講師もしていることは知れていて
「お!Y〇Kの回し者!」(笑)と、なかなかストレートなあいさつを頂いたりしました。
両者爆笑。
時間たっぷりのリクシルさんの時間が終わり、いよいよ岩前教授のお話です。
「健康と住環境のエビデンス」
「寒い家は人を殺す」
住まい環境改善が、人間の健康にどれほどの影響を与えているのか。
教授の2万人もの膨大な日本国内での調査結果は、大いに業界内に衝撃を与えた。
分母が統計的に大きすぎて、だれしもが否定できないほど説得力。
海外の調査結果も交えての矢継ぎ早のプレゼンに言葉を失います。
岩前教授の調査内容は、松尾さんのセミナーにも引用され、
松尾さん経由で、私の住まい教室にも引用されている。
その「健康と住環境」の本家が、岩前教授です。
持ち時間はわずか60分であるが、最初の40分はえんえんと住環境とは直接関係の無い、長寿で過ごすための要因について説明がある。
これは 養生の法として とてもためになる。
① よく噛むこと
② 腹八分
③ よく話すこと
④ 良く歩くことが大事だとのこと。
そして、なによりも 良好な住環境が非常に重要だ。
残り20分は貴重なデータを濃厚に見せてクライマックス!
気温の低下する冬に人間が死ぬというのは、世界規模で見ても確認でいる現象。
その傾向が強い国というのは比較的に温暖な国である。
これは「寒さに備えが乏しい」からで、日本国内でも四国九州が 冬期に循環器系の疾患が増えるのも、住環境に寒さへの備えが悪いからだ。
疾患だけでなく、冬期には不慮の事故による死亡事故も増える。
暖かな室内であることで、冬期に迫る危険性を軽くすることができる。
死ぬというほどにならぬ、未病の状態である、体調の不良についても、
住環境の温熱グレードが向上すると、体調不良が改善される。
今までの住環境で何らかの体調不良の自覚があった人が、新しい環境へと転居して、どのように自覚症状が変化したかという調査です。
G3 新省エネ基準 Q値4.2
G4 次世代省エネ基準 Q値2.7
G5 Q値1.9以上の性能
断熱性能が高ければ高いほど、改善幅が大きいことがはっきりと現れる。
だいぶ前に、お子様がアトピー性皮膚炎でお悩みの家族が、自然素材で建てたいと相談があった。結局 予算が合わず、別の会社で自然素材たっぷりの家を建てた。
断熱ランクは低かったのだろう。
たまたま、その家族の様子を知っている方とお会いして、
残念ながらアトピーは改善されていないと耳にした。
高断熱化が解決手段だったのかもしれないのに、
世間的なイメージで判断したということになるのだろう。
それと、医学的現実は異なるということだ。
医療費と社会保障料が右肩上がりで止まらない。
予防医学の観点からも、健全な住環境が必要だし、
正しい国民理解が 前提としてなくてはならない。
岩前教授、 大変有意義な研究、ありがとうございました。!