東茶屋街の弁柄建築 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

① 東茶屋街の弁柄建築群

金沢・富山・高山の住宅の伝統的な外壁は、杉の下見板の押し縁付が一般的です。
やり方は新潟のそれと共通です。
しかし、塗装をするのがほとんどで、それにより街並みに品のある落ち着きが出ている。

この地方の伝統的な方法では、墨と弁柄を溶くのに酢を用いるし、時に黄土も混ぜる時もあるという。同じ日本海側で気象条件もそっくりな北陸の弁柄外壁を訪ね歩き、色味から感じる印象の違いや経年変化などが勉強になりました。

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これは東茶屋街の入り口に店を構える、昆布屋さん。かなりモダンな造形で、黒漆喰。




東茶屋街とは、遊郭であって歓楽街。旦那衆が夜遊びに来る場所。
だから華やいだ印象で色っぽい弁柄レッドを用いるケースも多かったろうと思われます。

200年近く経つ当時の茶屋を代表する「志摩」の内部へ入る。オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ
圧巻なのは弁柄色の塗壁。
我々も「栃尾の家」にてこれと同様の仕上げをしたことがありますが、非常に色っぽい。
なるほど納得。 当時のほの暗い行灯照明に弁柄レッドの空間演出。
若旦那はすっかり腑抜けとなったのではと想像する。


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塗装は自家製で、墨と弁柄の配合比率で個性が出ている。
真ん中は「女池の家B」の弁柄レッドだが、左は「豊浦の家」のような酸化鉄のさび色に近いし、
右の色は祇園の町家に多い色合いです。
近年は化学塗料を使いようにもなってきてますから、こげ茶の外壁はキシラを塗っているものもあるかもしれません。

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弁柄外壁の10数年後はこんな感じへと詫びるだろう。非常に味わいがある。

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経田米穀店さん。黒味の木部に黄土を混ぜた漆喰でシックな印象。
玄関付近の処理が絶妙です。

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街道沿いの町家の軒先によくある処理。
板が裏から貼ってあって、泥棒が軒先に足をかけて入り込もうとすると壊れるという仕掛けで防犯住宅仕様となっています。釘頭が雨から守られるので長持ちするし合理的です。

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感心したのがこの郵便受けと電気メーター隠しの工夫。
細かな配慮の積み重ねで美しい景観です。

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庇を檜の木端を重ねてむくっているのと、鼻隠しの細工。
非常に手間がかかっており、当時の財力を偲ばせます。