◎ ④ 電気は一番便利なエネルギー
さらに一歩進んで、それでは「電気に支配された生活は続くのか?」というご不満な方もいらっしゃることでしょう。
日本中で電力不足により大変なことになっている今の日本。
今まで、当たり前のように享受できていた電気から恩恵を受けていた日本。
電気のインフラがぼろぼろになった東日本は、25年前のマニラ市街のように、この夏は夜になると電力不足で停電になるという事態も、現実になりかねません。
本日は、可能なだけの電気に依存しなくて生活できるにはどうするかを考えます。
まずは節電というのは基本中の基本でしょう。
最重要かつそれが前提です。これはいろいろ情報があふれてますから、これ以上は触れません。やらねばならぬことです。
次に住宅のエネルギーを考える上での、基本的な考えとして、
「電気」というものは、何でも使える超便利なエネルギー。
使うのならば、電気でしか役割を担えないところでまずは使い、電気でなくとも役が足りるところは、電気を使わないようにする。」
というのが 正しい考え方です。
グラフは省エネルギーセンターHPより転載
右のグラフは、家庭でのエネルギー消費の内訳です。
電気はエネルギーのチャンピオンです。
①調理もできる ②お湯もかわせる ③暖房もできる ④パソコンも稼働させられる。(家電の制御=動力他)
この表にあることは電気にはすべてできてしまうところが偉い!
では、ガスはどうか? ①調理と②給湯と③暖房はできますね。でも④はできません。冷房もおまけにできません。
では、太陽の熱はどうなのか? ①調理はできないけれど ②③の補助には使えますよね。
そうなんです。熱というのはエネルギーでいえば電気よりもランクが低いエネルギー。
便利度合で判定すれば
電気 > 化石燃料 (ガス・灯油) > 自然エネルギー<太陽熱)
というようにランク分けされます。
さて、②給湯③暖房に共通するのは、 熱エネルギーだということです。
②給湯は40℃くらいの熱。
③暖房は20℃くらいの熱。
たったそれだけの温度さえ上がればいいわけです。
熱があがりすれば電気でなくとも何でもいいわけです。
熱エネルギーごときに、なんでも使える高価な電気を使うことは最後の手段です。
熱エネルギーをなるべく使わないように、全体設計を最適化することが大事です。
そのための方法を次回整理します。