③ 暖房と給湯はHPで | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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◎ ③ 暖房と給湯はHP







では、②給湯と③暖房については

電化がよいのか?

ガス・灯油の化石燃料がよいのか?


では、家庭用エネルギーにおいて、消費の過半数のエネルギーとなる②給湯と③暖房について申し上げると、結論でいえば電気のほうがエコです。


なぜなのか? それは電気ではヒートポンプ (以下HP)という、大気熱を回収する技術があって、その高効率な装置のおかげで、電気により熱を上げること=②給湯③暖房に関しては、CO2発生量と、1次エネルギー消費量の削減という観点で電気のHP方式が勝ります


ヒートポンプとは、 1Kwの電力で、そのポンプを回すと、消費電力の何倍もの熱を大気中から集められるのです。具体的には、冷蔵庫を冷やしているのもヒートポンプだし、給湯のエコキュートや冷暖房のエアコンもヒートポンプを運転し熱を移動させております。



ヒートポンプは、大気中の熱で運転効率(COPAPF)が変化しますので、外気温が高ければ効率は上がるし、低ければ落ちます。


実質的な年間平均COPとして、エコキュートのカタログに表記されている数値は妥当な数値と思われます。その数値が、COP=3.4。



電気エネルギーというものは、石油石炭という化石燃料と核燃料・水力のすべてまぜこぜになった2次エネルギーなので、単純に比較することは難しいのですが、火力発電のエネルギーが、家庭の暖房・給湯エネルギーへと変換される場合を例にとって比較します。


発電前のエネルギー100  発電と送電ロスで60のエネルギーはロスになり、家庭に届くエネルギー40 にまで下がります。


これは昨日の調理の時とお話は一緒です。おーがにっくな家ブログ |新潟で自然素材の家をつくる。社長の奮闘記

しかし、

ヒートポンプの有効運転効率は3倍以上。

 COP=3.4 x40 = 136 


つまりは、化石燃料を燃やした場合、燃料のエネルギーが100あったとしたら、136の熱に変換されます。



家庭におけるガス・給湯・暖房の場合


燃焼前のエネルギー100。 ボイラー燃焼後の熱 7386。となります。 

 

というように、電気でヒートポンプを回すと、送電ロスなどを差っ引いても1次エネルギー削減に有効です。


つまり、電気で給湯暖房する方が2倍エコです。

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それでは納得できないから、最新兵器を引っ張り出してみましょうか?

ガス陣営には、燃料電池のエネファーム、そしてガス発電のエコウィルといエコな装置もあります。 

いずれも ガスを用いて家庭で直接発電し、排熱をお湯として利用するコージェネレーションという技術です。


<NIKKEI BP NET 様より図を転載>⇒


しかしながら、100のエネルギーで7580程度の利用にしかなりません。

<この二つは電気を作るところがすごい装置であるから、そこで生じた電気でHPを回せば、エコ度合いでエネファームの方が勝つんですけど)

せっかくできた電気でHPを回して使うのも意味のないことですし、

結局はHP技術がすごいのであって、HPの効率が良くなって来れば、わざわざコージェネまでして熱に変換する必要性はなくなってきます。

さらに、現実問題としてみれば、発電量は700wに留まり家庭用電力をまかなうほどにもならず、価格もべらぼうに高いから、投資回収には時間がかかる。

結論から言うと、家庭用燃料電池というものは、大手資本がテコ入れしておりますが、永久に普及することはないでしょう。


一方でヒートポンプ方式の利用器具については、エアコンはもちろんのこと、エコキュートも開発から10年を経て、量産効果で価格は半減しております。つまりは投資回収が早く完了するということになります。

正直、初期費用・ランニングコスト・エコ度合にて圧倒的な差になっているわけです。


家庭における省エネの本命は、ヒートポンプ。それは、今後ともしばらくは変化がないものと思われます。

この意見は、アカデミックな温熱系の有名人様方も共通の見解ですね。(南先生 ・坂本先生など)

結局は、

① 住宅においては一次エネルギーをどれだけ使わなくてよいか?

CO2をどれだけ発生させないで、生活ができるか。 このエコの物差しと、

② 家計の負担がどれだけ最小でよいかのというエコノミーの物差し。 

2つの物差しで判断する時代になっていると思います。


余談:わたしがサラリーマン時代、エコウィルが大阪ガスで発売されたのを、新潟県一番乗りを目指して北陸ガスと導入の検討をしました。しかし12A・13Aというガス種の違いで断念しました。 

当時はエコキュートとエコウィルはあまり価格差はなかったんです。

でも、勝負はついた。エコキュートの価格低下と、1次エネルギー削減+時間帯電灯契約でのメリットで、家計にも優しいですしね。