家Sハセガワ様、Q1.0S展示場+西方設計 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

少し前の出来事ですが、3/5日。大事な出来事であったので記事にします。


北海道発の、高断熱住宅の組織、「新住協」の会合がありました。

場所は上越市にあります家Sハセガワ様。おーがにっくな家ブログ |新潟で自然素材の家をつくる。社長の奮闘記

新潟県における高断熱住宅のパイオニアといえば、ハセガワ様です。


つい最近、新しいモデルハウスをオープンさせましたので見学という運びになりました。基本設計は、新住協のボスの鎌田教授。

実施設計は、これまた、高断熱を扱えば、日本で一番の秋田県の西方設計文句なしの話題作です。

施工は長年の高断熱住宅に取り組んできたハセガワ さんということで、

温熱的には日本最強の布石。


断熱仕様は、換気が熱交換無しなのにQ=0.8程度のパッシブハウスクラスという化け物です。

換気廃熱は、給湯用のヒートポンプの熱に回収しており、日本海側の気候特性に合わせた一つの答えだそうです。


このモデルハウスを舞台に、能代市より西方設計殿をお招きして2時間ほどセミナーを行いました。会場には40名ほど押しかけ、その体温だけでも室温が28度まで上昇し暑かった。80wx40=3.2kw。必要な暖房熱よりはるかに体温が多い。

急遽、寒空の中で1階の窓と、ハイサイドサッシを開けて、上下気流で換気をする。


このクラスの断熱性能の家にある珍現象です。


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この会合の前に、盟友の「誠設計」殿と、吉田五三八の小林古径邸を見学し、

昼食を交えて意見交換をしていて、セミナーへと参加したのですが、湯本所長は西方さまとも旧知の仲で、セミナー終了後しばしの談話しました。


この辺のくだりは、湯本所長のブログ へと読み進めて下さい。

より詳しく書いていらっしゃいました。

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私的には憧れの人物、西方さまにお近づきできたのが何よりの日でした。








以前に、私が務めていた住宅会社は、外断熱系でした。当時は外断熱ブームで、一番影響力のある書籍と言えば 「いい家が欲しい」 だったわけですが、これがいわゆる 毒本 で、その根拠のなさをばっさり切ってくれた書籍が「外断熱が危ない」だったわけです。 この本のおかげで内部充填がいいのか外張りがいいのかという

「外張り論争」は決着がつき、さらには、Q1.0住宅クラスの内部充填+付加断熱というダブルな断熱まで出てきたので、今では玄人はそうしたばかなことを言う人間はいなくなったわけです。

あの時代の雰囲気の中で、まっすぐに反論するとは大変勇気のある方です。

でも、温熱は科学だから答えがあり、真実に近い事実が評価され、必ず残ります。


「外断熱が危ない」の著者の西方設計殿は、もはやけりのついた論争部分はコンテンツとしては見苦しいから、より進んだ最新事例などのコンテンツと差し替えて、

エクスナレッジの「最高シリーズ」にて「最高の断熱・エコ住宅を作る方法 」として新調したわけだそうです。

お会いする前は、断熱マニアックな神経質な人なのかなと思っておりましたが、とんでもない誤解でした。 朴訥としたおもしろいおっちゃんです。

例えるならば宮崎駿さまや手塚治虫のようなタイプなのかなと思いました。

ゆるぎない世界観があって、仕事へ没頭する姿勢が真摯である。

そして、少年のような素直さをそのまま維持しているところがあります。

一気に さらなるファンになりました。


講演後には温泉宿へと場を移し、新住協の新潟支部長ほか8名での懇親会です。

夕会食とその後の部屋での飲みなおしでのボーイズトークは100%建築談義。

夜11時まで延々と続きました。

特に、西方さまと、家Sハセガワの相談役のお話がとてもおもしろい。

日本の住宅40年史を紐解くようなドラマ性があるトーク内容です。

温熱系のお話は2割程度。 話題はとてつもなく広がりが合って、

杉板外壁やら海外の最新住宅事情など 何でもこいの夜になりました。


「オーガニック床下暖房システム」のルーツは、ご存知の方も多いと思いますが、西方先生です。 

「外断熱が危ない」に、床下暖房の方法がちゃんと書いてありまして、当時の先生は石油FF暖房でしたが、暖房エアコンが開発されて、これはエアコンでもできるなと取り組んだのが、4年前の私です。 先生も今では同様な機種を採用しております。

先生はかつて、OMソーラーを2年関わっていたことがあるということで、そこからの発展で床下暖房を考案なされたのでしょう。


(3/25PM7:30 加筆: 御覧になられた西方先生より、発想の原点について教えていただきました。 ご紹介します。)

石油ストーブ床下暖房は二十数年前に基礎断熱をやり始めてから、
OMでなく吉村順三の軽井沢の別荘のように1階RC部分にオ
イルファーネスを置く考えと、北海道のボイラーあり半地下室です。
<中略) OMではないのです。
初源な吉村止まりで良いのです。

おお~。 原点はあの、吉村沢山荘でしたか。 やはりといいますか。

誠設計の湯本所長は、アメリカを含むすべての吉村作品の巡礼を制覇したほどの、吉村順三フリークですし、すべてが吉村順三を水源として、脈々と木造建築の大河が流れていることを感じます。 


わたしの方は、前職で採用していたスラブヒーターからの発展であるので、微妙なずれがある。 性能面や設計上の設定などの細かな考え方もうかがいました。

大変勉強になりました。

巨匠の直伝で、より良い住環境を提案できると思います。


先生も外壁は杉板縦張り、ウッドロングエコ仕上げですし、

もちろん、夏の遮熱対策のためのパッシブな設計を心がけているところなど、やっていることは かなり 共通点があるので勉強になりました。


新住協というのは、どちらかというと設計者や監督がルーツの技術屋あがりのメンバーが多いのですが、私はマーケッティング畑がルーツの営業畑。

先生からしてみれば、温熱を消費者目線で見て啓蒙するという切り口がおもしろがられていたようです。

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建築をマンガの切り口で捉えている森山さんのケースも紹介したら、これこそ異色中の異色なので、これまた刺激的だったようです。

西方さまに「その本、ちょうだい」とおねだりされまして進呈しました。

そうした柔らかい好奇心がある方なんです。

いうことで、お茶目な写真をいただきました。


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