本年度、オーガニックスタジオ新潟の住宅は、100%の現場にて、越後杉ブランド材を用いております。
地産地消
輸送によるCO2の削減
県内林業の復興と、山林の整備
そして、補助金によるお客様の建築費低減。
いいことづくめなわけですが、さっぱりPRしてないことに反省。
やっぱり、製材の現場を見ることで、品質について語る資格があろうと工場見学を思い立った。
「越後杉ブランド材」は、乾燥工程や製品の寸法安定の確かな製材工場でないと、品質が保証できないので、それを満たす工場は認定されている。
県内にもそんなに多くはないとは聞くが、木材の仕入れ先の一つ「イタヤ」様にお願いして工場を見せていただいた。
てっきり専務殿だけがご案内してくれるのかと思いきや、社長殿も専務殿とともにご案内してくれました。
社長は天野先生の設計で、県の建築賞をとった有名な邸宅にお住まいです。
写真や図面や通りがかりでお住まいは熟知しておりまして、初対面でしたが、共通的な話題があり、植栽の重要性や地産地消などの話題で盛り上がりました。
専務殿も私のブログをご覧になっていらっしゃっておりました。
大変お忙しいお二人から、身に余るほどご丁寧に対応してくださいました。
ありがとうございます。
おもに南蒲原森林組合の産出した杉を仕入れるという。
新潟県には、内野をはじめ3か所に原木の市場があるが、事前入札で仕入れ、市場に荷卸しせず、山から直接に運送し、原材料調達コストを抑えているとのこと。
偶然ですが、南蒲原森林組合のトップと、わたし、前の会社で面識があって、とても温和な紳士です。
めちゃくちゃ世間は狭いなと思いました。
ともあれ、ということは、私らが家を作るたびに、旧下田村や村松の山林が整備されてゆくということになる。
それが分かると、なんとなくうれしいことです。
<山はいい人が多いんです>
あぁ 建築屋の社長やっていてよかったと思えるひと時。
原木は、まずは皮をむきむきされます。
水蒸気と温度をコントロールしながら1週間かけて乾燥させます。
初日はわざと蒸気を加えて蒸すようにする。
(細胞が開いて乾きやすくするのかな?)
翌日は150度程度の高温にして、5日程度かけてじっくり温度も下げながら乾燥させるという。
こうした乾燥工程で狂いや収縮を引き起こされて、その後に修正挽きをするから、建ててからの問題の起こりにくい良材になる。
乾燥材は基本です。
ちなみにこの窯は2000万円くらいするらしいです。製材業はかなり設備投資が必要な業種ですね。
含水率を測定する道具で、木材の含水率をチェックする。
気中均衡含水率の一歩手前くらいが望ましい含水率。20%くらいにおおむね乾燥しているようだ。
某HMが含水率を一桁だとセールスしているのを聞いたことが以前にあるが、それは過乾燥であって色艶や細胞レベルのしなやかさを奪った死ん
だ木だと、ある製材業の方が言っていた。
気中均衡含水率一歩手前の20%程度がちょうどよかろう。
すべての検査に通った木材は、県産杉ブランド材のシールが張られて納品される。
これは、4面同時プレーナーを掛けられる機械。
これは内部造作材の加工に使われるのだろう。
参考までに、製材のプロセスで生じる廃材は、粉砕しチップに加工され、製紙工場に引き取られ紙の原料になっているとのこと。
やっぱり木造っていいですね。郷土とつながっている実感がする。
取材協力いただきました イタヤ様ありがとうございました!!