英語を話せる日本人の割合は総人口の10%前後だという。
では、残り90%のうち、英語を話せるようになりたい!
話したい熱意の度合いを、
<激辛>話せないと→生死に関わる
<上辛>話せないと→昇進に関わる
<中辛>話せないと→旅行で困る
<下辛>話せないと→困ることは何一つない
とした場合、英語を習得したいと考えている、
何の根拠もないが。
何事でもそうであろうが、必要性よりも、
例えば・・・
・猫よけのためのペットボトルの数を研究する
・道に時々落ちている靴のうち、右が多いのか?左が多いのか?..
これすなわち、無用の用であり、無価値な価値である。
研究者が楽しければそれで良い。
中辛下辛の日本人にとっての英語はまさにそれである。
英語は生活に必要不可欠な要素ではないが、
特に日本では、中学校で、高等学校で、大学で、
こんなに長くやってきているのに、なぜ話せないのだろうか?
しかし、日本人は薄々、気づいているのである。
私は、英語教育に携わって20年経つ。
私の思う、日本人が英語を話せない理由・・・それは、
文法やってきました。
単語覚えてきました。
長文読んできました。
リスニングやってきました。
これすべて、必要なことである。
無駄なことは何一つとしてない。
すべて英語を話すためのベースとなる。
ただ!
ただ、そこに足りないことが一つだけあるのだ。
何か?
『直訳』である。
英語を英語の語順のままで日本語に訳す訓練である。
学校で学ぶ英語は、日本語と英語という二つの言語しか使わない。
例えば・・・
問題)次の英文を訳しなさい。
What do you want to say?
模範解答)
何を言いたいのですか。
この『問題』と『模範解答』に使用されているのは、(きれいな)英語と(きれいな)日本語の二言語である。
日本人の英語学習の弱点がここにある。
つまり、この(きれいな)二言語だけではダメなのである。
二言語間において、橋渡ししてくれるもう一つの言語が必要となる。
橋渡しをしてくれる言語とは何か?
橋渡し言語)
何を あなたは 欲しい 言うこと。
これである。
この『橋渡し言語』のことを『直訳英語』という。
『ほんとかよ?』と言われればそれまでだが、言語を自然習得できる年齢は12歳くらいまでだといわれている。
それは、12歳以降に他言語を習得する場合には『理屈』が必要となることを意味する。
『理屈』とは、他言語を学ぶ際に、自国の言葉の法則を応用して他言語の法則を理解し、使うことである。
その『理屈』のことを『文法』と呼んでいる。
自国の言語の文法で他国の文法を理解すること。これが、『理屈』年齢に達した者が他言語を学ぶ際の一番の近道である。
他言語の文法の法則に従って単語を並べていけばまぁまぁ通じるものなのである。
日本人にとっての行幸とはすなわち、どっちゃでもええ、ということ。
例えば:
『図書館に行くよ』
もよし、
『行くよ、図書館に』
でもよし、
『私、図書館に行くよ』
なんてのも、よし。
なのである。
上記のどの言い方でも間違いではなく、そして、日本人すべてに通じてしまう。
英語はそうではない。
英語では、
『私は 行く 図書館に』
の一択なのである。
そのほかの英語の型は、
(第二文型)彼女は やさしい。
(第三文型)彼らは 食べる 野菜たちを。
(第四文型)彼は 名づけた 彼女を 彼のルビーと。
(第五文型)私たちは させる 彼らを 幸せに。
がある。
5つだけ。
どんなに長い英文だろうと、これ5つだけで英語は成り立っている。
なので、柔軟性の塊のような日本語からすると、5つの型しかない英語の理解なんぞ実は軽々とできてしまう・・・はずなのである。
なのになぜそれができないのか?
答えは、英語を英語のまま直訳すればいいものを、わざわざ語順を変えてまで『きれいな』日本語に変換するからである。
そんなことやってても話せません。
なぜなら、圧倒的に遅いからだ。
『和訳しなさい』と学校の試験で問われ、
『母は昨日、腰がくだけるほど疲れたと言っていた』
と解答するが、決して、
『昨日、母は言った 彼女は 疲れ切っていた と』
と解答はするまい。
上の文はいちいち日本語を入れ替えており、その後、きれいな日本語になっているかをチェックする。すなわち、永遠の翻訳地獄である。
比べて下の直訳文の場合、英語を出てきた順にドカドカ訳しているだけなので比べものにならないほど速い。そして、柔軟な日本語ならではの特色で、理解もできちゃったりする。
英語は英語のまま、日本語に直訳すればよろしい。
それで十分。
『直訳英語』とは、日本語を他言語の文法の法則に強引に従わせて直感的にその言語の文法的な並びに、最初は理屈で、ある程度の経験値が高まったら直感で理解し、話すことができるようになる方法のことである。
というわけで、私の推奨する日本人の英語勉強法として、『直訳法』を強く強く強く、お薦めする。