今年で7回目を迎える協同組織産別・単組シンポジウムが6月14日、都内で開催された。主催者あいさつで全労金の末留委員長は、「新自由主義により格差・貧困が拡大している。安倍政権は社会保障費を削減し、防衛費を増やしている。いま社会は自己責任、個人主義、自分だけが良ければという風潮になっている。連合30周年ビジョン、中央労福協70周年ビジョンでも労働組合がどのような社会的役割を果たしていくべきか議論されるだろう」と述べ、協同組合や労働組合の社会的役割を発信していくことが必要だと訴えた。
来賓あいさつでは、連合の神津会長と中央労福協の黒河副会長からあいさつが行われた。連合の神津会長は、「毎年7月の第一土曜日が国際協同組合デーと定められているが、今年のテーマは”協同組合は働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を実現します”となっている。日本では賀川豊彦が協同組合の発展に貢献したが、彼は労働組合の運動や争議なども指導した実績がある」、「連合は様々な方針で協同組合との連携を掲げている。協同組合憲章の制定が必要だと考えている。協同組合と労働組合は兄弟のような関係だ。歴史背景を含めて認識していくべきだと考えている」と述べた。中央労福協の黒河副会長も、「今年8月に結成70周年を迎える。60周年でも2020年ビジョンを作成し、リーマンショック、派遣労働者の問題、格差と貧困に向き合ってきた。今後も生活困窮者の自立支援や、SDGsの実践により社会的な役割を果たしていきたい」と抱負を語った。
その後、二つの講演が行われた。最初の講演では、NPO法人ほっとプラスの藤田孝典代表理事より、「日本社会の課題と協同組合・労働組合が果たすべき役割」と題した講演が行われ、これまでの活動内容や日本における貧困の現状が詳しく語られた。ほっとプラスは生活相談、日常生活支援、住まいの提供、ソーシャルアクションを中心に活動しており、ホームレス状態や生活不安、障害を抱えた人たちの生活支援をはじめ、講演、出版、SNSでの発信などにも取り組んでいる。日本の相対的貧困率は15.7%となっており、OECD加盟国の中では6番目に高い水準となっており、約2973万人の人々が生活保護基準以下で生活している。単身世帯の貧困率も増加傾向にあり、女性の方が32%と男性の25%を上回っている。子どもの貧困率は13.9%で17歳以下の7人に1人が貧困状態にある。ひとり親世帯は50.8%と深刻な状態となっている。さらに、非正規労働者や高齢者の貧困も深刻化している。藤田代表理事はブラック企業対策の総合サポートユニオンにも関わっており、ZOZOTOWNでの時給引き上げなど労働分野からの貧困改善にも努めている。他にも、世帯収入と進学率の関係、奨学金制度の問題、貯蓄の現状、社会福祉のあり方に触れ、自主運営の協同労働に向けた労働運動、内部留保優先の企業、団体への敵対性、労働組合の組織拡大が必要だと訴えた。二つ目の講演では、生活協同組合パルシステム茨城・栃木の君嶋前地域活動推進部長より、「協同組合間協同の実例と協同組合に求められる役割発揮」について、これまでの生協間連携や協同組合間連携、他団体との連携による地域社会づくり、災害復興支援活動に関する取り組み事例の報告が行われた。
講演終了後には、行き過ぎた市場主義経済による格差や貧困の拡大を打破するために協同組合間連携をすすめ、協同組織運動の糾合をめざす旨のアピールがコープさっぽろ労組の金子副委員長により読み上げられ、全体の拍手で採択された。
最後に、労済労連の田尾委員長が全体のまとめを行いシンポジウムを閉じた。









