渡辺おさむ「日本のミカタ」講演会 | 専従日誌

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徳島県農協労連専従のブログ 農業再建、農協革新の取り組みや活動紹介など

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8月19日、一橋大学名誉教授の渡辺治氏による講演会、「日本のミカタ~新自由主義の終焉と新福祉国家への展望~」があわぎんホールで開催された。

渡辺氏はここ20年間の新自由主義・構造改革の流れや、国民の期待を背負って誕生した民主党政権が何故、真逆の方向に向かい始めたのか、新自由主義に終止符を打つために必要な運動や取り組みについて説明した。

19世紀のイギリスでは企業が自由に活動し社会が発展していったが、男性の賃金が高くなり人件費を抑制するために子どもや女性に労働させるようになった。子どもの賃金は男性の10分の1程度で、一日14時間も労働させた。その結果、企業は大儲けしたが公害やチフス、コレラが蔓延し、児童労働も社会問題となった。そして、労働組合の運動により改善させたという歴史がある。この時の企業の暴走を自由主義と言い、現在グローバル経済の中で行われている大企業本位の競争が新自由主義と名付けられている。

自民党時代から新自由主義・構造改革が行われてきたが、小泉構造改革で年越し派遣村など、非正規労働者と格差社会の問題がクローズアップされ社会運動に繋がった。運動が民主党を変え、変わった民主党に期待して政権交代が実現した。鳩山政権は新自由主義、日米同盟の流れを断ち切ろうとしたが財界と米国の怒りを買い失脚した。菅政権では、消費税引き上げ、一体改革、普天間基地の辺野古移転、TPP交渉への参加など構造改革へ回帰していった。さらに野田政権では消費税増税、TPP、原発再稼働、日米同盟強化などを推し進め新段階に突入しようとしている。

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渡辺氏は消費税引き上げの矛盾として法人税引き下げや生活必需品課税を挙げた。「財界は法人税を諸外国並みに引き下げないと競争に勝てないと主張しているが、大企業が儲ければ儲けるほど日本経済は縮小する」、「国は260兆円もの金を持っているが、エコカー減税くらいしか活用していない。米国、EU等の国債を買って磨っているのが現状だ」、「食料品等は非課税にすべき。どんな金持ちでも一日10食もは食べない」と述べた。TPPや原発の推進も大企業の儲けに繋がるから力を入れている。原発再稼働の動きはベトナムなどに原発を売るためにも日本の原発を稼働させることが必要だからである。しかし、大企業の割合は全体の5%しかなく、大企業優遇により95%の中小・地域が潰れることとなる。

今後の運動については、「運動で政治は変わる、変えられる」、「反対の運動だけではダメ。対案を出しながら進めていかなければならない」とし、新潟県加茂市の小池市制の例を挙げた。市町村合併反対、自衛隊のイラク派遣反対などその熱血ぶりは有名だ。元防衛省出身の小池清彦市長は九条の会の呼びかけにいち早く賛同した人物でもある。賛同の理由は「自衛隊は他国に行って人の命を奪う組織でない」、「自衛隊のプライドを守るため」だという。

九条の会は全国で7528団体が組織され、中高年が多く参加している。今後、若者にどう広げていくかが課題だ。TPP反対についても福岡県のJAで、小林よしのりの著書を配布して啓蒙を促しているとの話があった。地域を拠点に新自由主義路線から脱却する運動を巻き返していかなければならない。

最後に、高校生たちの”ナゼ!?”に答えるコーナーが設けられ、渡辺氏が高校生らの質問に答えた。高校生からは橋下徹市長についてどう思うか?消費税増税反対のために高校生が出来ることなどの質問が出された。全体の参加者は160名だった。

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