【案ずるより産むがやすし】


夫の転職騒動も落ち着き、2月に入ったら住所票も移して私も腰を据えて求職活動も再開しようと思った矢先、突如私は彼のアパートから一時退去しなくてはならなくなった。

慌てて転出届をキャンセルし、実家までの安い移動方法を探し始めた。


『1か月辛抱して、何とかする。必ずまた呼び戻すから。もしかすると違う住処になるかもしれないけど。しばらくだよ、また一緒になれるから。』


2月は寒いし、またもや先の見えない不安定さに気が沈んだ。これまでの落ち着かない足踏み状態だったのは虫の知らせだったのかもと言うと怒られた。

ただ、今回決まりそうで決まらなかった職や、三日で辞めてしまったパートも、結果的には良かったのかもしれない。


着替えを詰めて午前中に郵便局へ持ち込む。

午後からは滅多にない大雪に見舞われ、関東圏は交通も物流も滞ってしまった。

ニュースによると宅急便の集荷は受付中止となり、高速道も通行止め、バスも電車も飛行機も次々に運休が決まり始めた。


毎日毎日、どんなに頭で考えても解決できないものに悩まされて心が折れ曲がってた。自然現象も然り。

その時になってみなければ、どうなるかわからないし、どうにか出来る訳でもない。


雪翌日の夕方のフライト✈️

東京まで乗り継いで何とか成田空港へも辿り着いた。早く着いたターミナルでは面白い出会いがあり、搭乗機は欠航にもならず定刻で発着した。


大雪の中、何もせず私はただ家にいて悩んでただけ。あんなにひどい雪の翌日でも、苦労せず私は無事帰省する事が出来た幸せ。


急に追い出されても、すぐに日常生活できるだけの帰る家もある。水道もガスも電気も通ってる!

居間の蛍光灯が切れかかり一晩暗かったけど、翌日には近くの商店街で買い換えることもできた。


ラッキーとは、運がいいとは、恵まれてるとはこう言う事なんじゃないの? 当たり前にみえる日常が。


私のないものねだり、慢心や傲慢さ、自分の都合でどうにかする事が出来るなんて思い上がり。人の世話になって甘い考えでぬるま湯の中でしか生きられない私なのだから。