◾️加点法の教育
教室の仕事机の前には
こんな張り紙がしてあるくらい、
私は加点法というのを大切にしています。
“教育”と聞くとどうしても
ダメなところを直す。バツをマルにする。
と捉えてしまいがちです。
しかし、
本来あるべき100点から、
どれだけ足りていないのかを見る減点法
では子どもの自信はつかないし、
ダメ出しばかりの教育になってしまいます。
だからこそ出来たことを認めていく
加点法の教育が大切だと思っていました。
そして最近、新たな加点法で
子どもたちを見ることが出来るようになりました。
◾️もう既にその子は100点である
それは、
本来あるべき100点にとらわれず、
今のその子の60点からの進歩を見ていく
…のではなくて、
「もう既にその子は100点である」
という視点です。
目の前の子は足りていないのではなくて、
もう既に完成しているんです。
それに付加価値を付けていっているんです。
この見方をするようになってからは
とても穏やかで暖かいレッスンが出来るように
なってきたと感じます。
◾️競争や比較から離れるのは難しい
減点法ではダメだ。
本来あるべき100点を見ないようにしよう。
この視点は確かに大切です。
しかし、
全く人と比べないのは難しい。
そうとう難しい。
やはり教育において
競争や比較から完全に離れることはムリです。
これらのパワーは甚大ですから。
親や先生、本人が競争や比較から距離をとれても
他人によって意識させられることもあるでしょう。
“この子の順位は14位”
“あの子の方が上手い”
こうった文言をスルーできる能力は
そう簡単にはつきません
◾️100点からさらに良くなろうとしている
しかしもう既にその子は100点なんです。
もう既に完成しているんです。
100点が上限なんですから
100点以上の点は付けられません。
難曲を弾くあの子も
そうでないこの子も
同じ100点なんです。
完成形からさらに良くなるために
いろいろと頑張っているのです。
これは上手くならなくていいということではありません。
もちろん今以上に上手くなることはいいことです。
それと同時に他人と比較する必要もありません。
何しろもう完成しているのですから。
◾️ラーメンと色鉛筆、どっちが速い?
ラーメン同士で比較すれば
良い悪いという比較が生まれるでしょう。
60点のラーメンは、
80点のラーメンより劣っている。
と思うでしょう。
しかしある子はラーメンとして、
ある子は色鉛筆として完成しているのです。
ラーメンはラーメンとして、
色鉛筆は色鉛筆として、
この世に存在し、どちらも尊重されるものです。
どちらももう片方の役割を果たすことは
出来ません。
ましてやその違うものを
他人の価値観で測るというのは
ラーメンと色鉛筆、どっちが速いか?
と、いうことです。
こんな比較、意味がありませんし出来ないです。
色鉛筆より速く走れと要求されるラーメン。
なんて意味不明すぎますよね。
◾️◾️◾️
その子はもう既に完成している100点である。
尊重される存在である。
そこからさらに自分の良さを活かせらるように
この教育を受けている。
この視点が私が子どもたちから教わった、
真の加点法です。