大行沢に行ったクライアントをKさんとしよう。彼との二回目のガイドは会津の蒲生川にした。天気も悪く、地震の余波も心配だったが、まあ、勝手知った会津ならなんとかなると考えたのだ。
6月21と22日であった。前夜、太田原の関所で泊まり(太田原は、わが「ろうまん山房」会員の石井が住んでいて、最近では素通りするとぶん殴られるので、しばしば泊まってしまうことから、関所と名付けられているのだが・・・)早朝、日留賀岳に登る石井とともに出て会津に向かい、蒲生岳の駐車場でK氏と合流する。
予報が外れて空は快晴。蒸し暑さが難だが、沢に入るためにあるような日だ。蒲生川へのゲートを嫌い、まずは手前の持場沢に入るが、水が少なく、これではイワナの出は悪いだろうと推測。でもまあ、まだ二回目のK氏だから、渓の生活術を学んでもらうだけでもいいと判断。
山道が続き、持場沢と井戸沢の出合に降りる。道は中間尾根に続いており、たどってみたい誘惑を抑えて左の持場沢へ。しかし、イワナは出ず、すぐに想定外の雪渓に出くわす。里の雪消えは早かったが、山の雪は例年よりも多いほどである。
ならば井戸沢を狙うしかないと、少し戻って井戸沢に入る。そこそこ魚影も見え、期待を持たせるが、そこまでだった。適当な台地に泊まり場を定め、あちこちと釣ってみるが、結局一尾だけが今宵のおかずになる。でもまあ、タープの張り方や焚き火での飯の炊き方など、少しは学んでもらえたと思う。夜、少々雨が降った。
翌日、手ごたえを求めていったん車に戻り、空身で蒲生川に向かう。ゲートから1時間と少しで蒲生川。そこから山道を歩いて入渓する。ゲートからの歩きの分、イワナはほどぼとに釣れ、ほっと胸を撫で下ろす。
雪渓を幾つか越えた場所で釣りをやめ、山道の入り口で昼の麺を作ってから車に戻る。いまだ山越えのガイドをしていないが、焦ることもあるまい。徐々にステップアップしていけばいい。年をとってから沢歩きに焦りと油断は禁物である。