シオランの名著「四つ裂きの刑」からの紹介。

それにしても凄い表題だ(笑)

 

①何かいいたいことがあるから書くのではない。何かをいいたいと思うからこそ書くのである。89P

 

②生きるとは追いつめられることだ。113P

 

③人間のかつての欲望だけにとどまらない、これから抱くかも知れぬ欲望さえ、願い下げにしてもらいたい! けだし私は、可能性のある一切の欲望にうんざりしているのだ。117P

 

④一家を構える。一帝国を築く方が私にははるかに容易であるに違いない。121P

 

⑤希望を抱くという奇癖からいやされぬかぎり、私たちは奴隷であり、奴隷であり続けるだろう。123P

 

⑥私は世界に対して戦っているのではない。世界よりはもっと大きな力、つまり世界に対する私自身の疲労と戦っているのだ。127P

 

⑦自分が正しいかどうかどうしたら知ることができるか。その目安はしごく簡単なものだ。すなわち、他人が君を避けて寄りつかないならば、彼らよりも君の方がずっと本質的なものの近くにいることはまず疑いない。136P

 

⑧健康であるというのは非感覚の状態、あえていえば非実在の状態だ。苦しむことをやめれば、私たちはたちどころに存在しなくなる。139P

 

⑨わずかとはいえ死を思わせるところのないものは、なんであれ例外なく俗悪である。144P

 

⑩苦しんだことのない者は存在ではない、せいぜいのところ個物だ。170P

 

⑪老いとは、要するに生きたことに対する懲罰にほかならぬ。202P

 

恒例となった(?)シオランシリーズ。

他にもいくつか紹介しているので、「シオラン」と書いてあるテーマから選んでちょうだいな。今回紹介したのは新装版なので、旧作とはページが違うと思う。

 

E.M.シオラン (著), 金井 裕 (翻訳)

2023/2/27 法政大学出版局