昔、養老 孟司さんの講演が動画サイトに上がっていたので聞いた事がある。

内容はこんな感じ。

 

酷いイジメを受けていた学生の日記を本で読んだ。

そこには花鳥風月が一切ない。

花であり、鳥であり、風であり、月であり……

自然が一切出てこなかった。

書いてあるのは人間関係の事ばかりでウンザリしてしまった。

私たちは「人間以外の世界」を半分持っていなければいけないのではないか。

人間の価値観が通用しない世界を持っていた方が生きやすいのではないか。

 

ちょっと不正確かもしれないが、ニュアンスとしてはこんな感じ。

ネコや虫が大好きな養老さんらしい見解だ。全くその通りだと思う。

 

鷲田清一も「今の街には宗教施設と大木が足りない」的な事を言っていたが、彼も同じことを言っているのだと思う。人間の価値観を超えた大いなる何か。人間関係ばかりで疲れている私たちを癒してくれるもの。そういったものが絶対に必要だ。狭い人間関係の中で「うまくやっていく事」ばかりを求められると大変なのは当たり前だと思う。