ご無沙汰してしまいすみません。ほぼ毎日中国人初学者への日本語指導をしております。
指導していると中国人に共通する誤用などミステイクの原因に気づくことがあります。
これまでにも「清音/濁音/半濁音」と「無気音/有気音」の違いなどにも言及してきました。
今回は「音声単位」について記載します。
「がんばって」⇒「ガンバテ」
「できなかった」⇒「デキナカタ」
「出身」⇒「シュシン」
上記のように促音である「っ」の発音ができない中国人学習者は非常に多く見られます。
「中国語にないから」
そう言ってしまえばそれまでですが、「っ」が抜けるだけで意味が全く分らなくなることがあります。
「出身(しゅっしん)」「主審(しゅしん)」
いかがでしょうか?全く違いますよね。
本日は音声学的、対象言語学的な分析を加えてみましょう。
何をひとつの塊とするか?という「音声単位」を思い出してください。
日本語教師養成420時間コースや日本語教育能力検定試験授権の経験がある方は一度は学んだと思います。
「拍(モーラ)」と「音節」 です。
「完全攻略ガイド(赤本) 第五版」をお持ちの方は、P177かP472をご参照ください。
「音節」単位なのは、英語、中国語、韓国語、ベトナム語
「拍」単位なのは、日本語
と書かれていますね。
つまり日本語の音声単位がかなり特殊だと言うことです。
「がんばって」を例に取ると、日本語は「5拍」、中国語では「3音節」という認識になります。
この表をご覧ください。
付け加えますと、
日本語は「ひらがな単位」…ひらがな1個で1拍(拗音(「ゃゅょ」)は除く)
中国語は「漢字単位」…漢字1個で1音節
そして日本語の発音を聞いたときに「漢字」をイメージしますので、「がんばって」は次のような漢字を当てはめるでしょう。
「跟(がん) 吧(ば) 特(て)」
さて、矯正方法が重要です。
手を叩きながら「が・ん・ば・つ・て」を5拍で言う練習を繰り返しましょう。
できてきたら、「つ」を「っ」にしてみましょう。実際には息を呑むので聞こえないのですが、1拍置くというイメージを植え付けましょう。
ご参考になれば何よりです。
では、またお会いしましょう。
再見!