世の中には恥ずかしがり屋さんは沢山存在する。

僕も異性とプライベートで話すのは苦手だ。共通の話題やら趣味やら探るのはお世辞には上手いとは言えない。

お店や公共機関で話す場合、流石に問題はない。相手側も仕事である以上、気を遣ったり話題を振ってくれたりもする。恐らく大抵の人が困らないだろう。

しかし世の中には人地を超えた恥ずかしがり屋さんがいるらしい。怯えている女性としか話す事が出来ない男性もいるらしい。


埼玉県蕨市の郵便局にて立て籠りが発生した。犯人の鈴木常雄(86)容疑者はなんと拳銃を所持していた。20代と30代の女性局員を人質に取ったらしい。


無事怪我人もなく鈴木容疑者は人質強要処罰法違反の疑いで御用となった。

「郵便局員と話がしたかった」

そんなシンプルな目的を、どういう思考回路で処理したらこんな行動結果に到るのか不思議でならない。容疑者独自のアメイジングメソッドだ。

女性と会話が苦手な人がいるのは知っている。僕も決して得意な方では無い。女性とどころか、会話自体が苦手だ。

しかし容疑者が銃を持っていないと会話が出来ない程のコミュ障なのだとしたら、コミュ障日本代表と言われた僕でも敵わない。上には上がいる。


恐らく鈴木容疑者は異性とまともに会話をした事がほとんど無く、何かを盾にしないと対等に女性と会話する事が出来なかったのではないだろうか?

女性と一緒に住んでいた時期もあったそうだが、鈴木容疑者をよく知りもせず何らかの事情で同居して酷い目にあったのだろう。頻繁に喧嘩していたらしい。鈴木容疑者を立てるようなキャバクラトークが不得手だったのかもしれない。

鈴木容疑者は正面から玉砕覚悟で体当たりするのではなく、立て籠りという形で誤魔化して郵便局に入って行き、キャバクラ並みの接待を受ける魂胆だったのだろうか。

昨日午後14時過ぎに郵便局に入り午後22時20分に警察が突入しするまでの約8時間、鈴木容疑者は沢山の会話を楽しんだのか?

時間はたっぷりある。一生分の会話が出来ていたのならいいんだが。何せもう2度と娑婆では女性と会話など出来まい。女性の弁護士を雇って話すのが関の山だろう。

「お前らとは生きる道が違う」

鈴木容疑者が口にした上記のセリフ、「異性とちゃんと関われなかった。普通の道が歩めなかった」なんて意味なのだろうか。

僕のテキトーな予想が当たったら、世の中に対して不満を持って生きてきてた86歳の男性が、女性と会話する為に最後の一旗を上げようとしたやるせなさを強く感じる。

僕には鈴木容疑者が自棄になってしまった感情は理解出来る。犯罪に走ることはしないが...。



...なんて冗談を悪意満々で語ってみたが、真実はまだまだこれからだ。

しかも立て籠り前に自分のアパートを爆破、病院で発砲事件を起こして2名怪我させていたらしい。



「お前らとは生きる道が違う」

どんな道だよ。そんなに自分を特別な存在だと勘違いしているのだろうか?

何が鈴木容疑者を凶行に駆り立てたのか。

謎はまだ深いが、とりあえず鈴木容疑者を嫌いになったことは間違いないので書き殴った。